開発の歴史から、機体構造、飛行メカニズム etc.まで、写真とイラストでよくわかる!
人類初“再利用できる宇宙船”
驚嘆と感動の全記録
2011年7月に引退するスペースシャトルの30年とその魅力のすべてを、豊富な写真とわかりやすい図解イラストで紹介。機体構造、飛行メカニズム、地球を取り巻く層の基礎知識、睡眠設備や食事など機内設備と機内生活、日本人宇宙飛行士の素顔、事故とトラブル、シャトル引退までの経緯などなど、この一冊で徹底網羅。NASAの見学方法や無重力体験飛行への参加方法など、実用情報も満載。入門者に最適の内容です。
目次
- はじめに スペースシャトル時代の終わり
巻頭ギャラリー 写真とデータで見るスペースシャトル
歴史が進んだ一瞬
任務は「無事帰還」/空軍機がお出迎え/人類初の自力飛行帰還
美しき夕闇の打ち上げ
…ほか
スペースシャトルの基本構造
スペースシャトル(オービター)の大きさと様々な数字
向井千秋スペシャルインタビュー 「スペースシャトルの意義と遺志」
[コラム1] NASA宇宙基地・着陸地はどんなところ?
第1章 スペースシャトル、引退へ
オバマ大統領が発表した新しい宇宙戦略
有人火星探査計画は「絵に描いた餅」なのか/月探査計画の打ち切りと新造宇宙船の用途変更
使い捨て型と再利用型、結局どっちが得!?
スペースシャトル退役後 有人宇宙飛行はロシアに/予想を大幅に上回り 嵩んだ打ち上げコスト
STS-134 打ち上げ現地レポート
[コラム2] スペースシャトルのエンジン・推進構造
第2章 スペースシャトル前夜
シャトル以前のアメリカ宇宙開発~宇宙開発黎明期
ライト兄弟から5年前 宇宙ロケットの原理を発明/ナチスがロケット兵器開発 史上初めて宇宙空間に到達/ナチス技術者がアメリカに投降 宇宙開発の道を開く
シャトル以前のアメリカ宇宙開発~ソ連との宇宙開発競争
米ソ冷戦時代 プロパガンダとしての宇宙開発/先んじたソ連を追うアメリカ ヒートアップする宇宙開発競争/1958年、NASA正式発足 開発競争はソ連の圧勝
シャトル以前のアメリカ宇宙開発~アポロ計画の成功から終焉
ケネディ大統領の登場で格上げされた宇宙開発/試行錯誤しながら月への距離を縮める/ついに月面着陸成功 宇宙開発は飛躍的に進展
…ほか
[コラム3] 宇宙飛行士募集要項
第3章 シャトルと飛行のメカニズム
ミッション開始から打ち上げの瞬間まで
帰還後すぐ精密整備開始 打ち上げ可能状態に復帰/2年間の飛行訓練など 綿密なプログラムのMS/過酷な訓練を乗り越え 発射1時間50分前に搭乗
打ち上げから帰還の瞬間まで
ドラマチックな打ち上げ 10分たらずで宇宙空間に到達/突然やってくる無重力状態 軌道進入後ミッション開始/最後の過酷なミッション 大気圏再突入と地上への帰還
シャトルの飛行圏~大気圏から宇宙空間~
4つの層で構成される 地球を取り巻く大気圏/戦闘機は成層圏を飛行 その上には中間圏が存在/大気圏の一番外側 熱圏を飛行するシャトル
…ほか
[コラム4] スペースシャトル、退役後の展示先
第4章 スペースシャトルの任務
歴代ミッションの概要
ミッションごとに付けられる「STS」コードナンバー/STS-1の最重要任務は“無事に帰還すること”/重大事故を乗り越え 宇宙開発を次のステップへ
ミッション遂行2つのカギ「ドッキング」
漆黒の空間での邂逅 宇宙船「ドッキング」の歴史/スペースシャトル&ミール 歴史を開いた米露ドッキング
ミッション遂行2つのカギ「船外活動」
昔・命綱、今・足場固定 重要度が増す船外活動/日本人初は1997年の土井隆雄 重要任務で生かされるその技術
…ほか
[コラム5] ケネディ宇宙センターに行こう!
第5章 シャトルの宇宙飛行士たち
シャトルに乗った日本人宇宙飛行士
毛利 衛/向井 千秋/土井 隆雄/若田 光一/野口 聡一/星出 彰彦/山崎 直子
スペースシャトルの代表的な搭乗者
最初の船長/最初の操縦士/初の女性飛行士/最初の外国人飛行士/最年長の飛行士
シャトル内での宇宙飛行士の生活
3層構造になっているシャトルの居住空間/トイレ、食事、入浴…… シャトル内での生活とは/無重力での睡眠は寝袋 清掃はこまめに行う/宇宙で日本食!?
…ほか
[コラム6] JAXAって、どんな機関なの?
第6章 スペースシャトルの事故
チャレンジャー号の爆発分解事故
1986年のあの日 突如、閃光が走った/初の民間人搭乗で全米の注目が集まっていた/緊急脱出装置を持たないシャトル 死因は爆死ではなく激突死
なぜ、チャレンジャーは爆発したのか
事故の原因を探るべく 設置された調査委員会/ファインマン実験で実証 原因はOリングの硬化/事故は人災だったのか 責任追及されたNASA
事故による影響とスペースシャトルの改良
足かけ3年に及ぶ飛行中断 徹底した安全強化策が施された/指摘されたNASAの組織的欠陥 安全のための監視機関を新設/強行された打ち上げとレーガン大統領の演説日程
…ほか
[コラム7] サブオービタル宇宙旅行情報
第7章 スペースシャトルの引退とこれから
スペースシャトルの引退が決まるまで
2004年に正式発表された スペースシャトルの退役/戦時大統領が任命した“ コストカッター”長官/2/113の事故発生率と高い運航費がネックに
なぜ、シャトルは引退しなければならないのか
シャトルとソユーズ 一目瞭然の事故率の差/費用削減のための計画 裏目で高コストに/シャトルの後継機はロケット開発の基本に戻る
引退決定後の世界の反応、日本の反応
シャトル引退に伴い巡ってくるチャンス/カギは大量の物資輸送 日本の無人船に白羽の矢/2011年1月22日「こうのとり」は旅立った
…ほか
厳選・スペースシャトルグッズ
おわりに