引き裂かれてもなお、
55年間、男は女を想いつづけた――
かつてハンセン病を患い、55年間隔離生活を送っていた健三郎が、家族のもとに現われた。戸惑う孫の大翔に、健三郎は墓参りの付添いを頼む。それは健三郎の子を産んで死んでしまった恋人・百合子の墓のはずだった。だが、そこに彼女の名はない。病に引き裂かれてもなお55年間想いつづけた恋人。百合子は生きているのか?会えるものなら、ふたたび会いたい。健三郎は大翔と、百合子をさがす旅に出る――。第5回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞受賞作。
※この作品はフィクションです。実在する人物、地名、団体等とは一切関係ありません。
本書は書き下ろし文庫です。