WEBだけの本誌編集日誌
2005年9月号
宮城県の田代島は猫の島だ。猫がとにかく多い。軒先に辻にとうようよいる。国内でも珍しい猫神社があるくらいで、昔から猫との共存が当たり前。ゆえに島には犬が一匹もいない。今でも犬は立ち入り禁止、愛猫家にはたまらん!島なのだ。
島の人に聞くと、猫にはそれぞれ一族があり、なわばりもきっちりと決まっているそうだ。例えば「何々さん家の猫一家」みたいに。飼われているわけではなく、その家でご飯をもらっている。港を仕切る一族もいるらしい。漁師が釣ってきた魚を分けてもらっているそうだ。近すぎず、されど遠すぎない、絶妙な関係が島の人と猫の間にはある。だからか、この島の猫は人が近づいてもさっとは逃げない、でも決してフレンドリーでもない。「ここからは猫の領分」としっかりと境界線をひいている。小気味いいくらいに。
取材でおじゃました民宿の女将さんはいつか猫マップをつくりたいといっていた。猫ウォッチングを楽しみつつ、猫神社にお参りするのもいいかも。田代島の猫詣で、ブームになったらどうしよう……。
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