そしていよいよ、「宝島」週刊化へ(2)
「エロはそろそろ、他の雑誌に任せた。こっちはお先に」。何とも不敵な発言と共に、いよいよ出版界最大の激戦区「週刊誌」へと乗り出す「宝島」。
現行の「宝島」を愛する人々は、この季節も季節、さぞや股間に寒風を感じられることだろう。
また、若かりし時分、まだサブカルチャーのバイブルだった頃の「宝島」に愛着を持っていた人々の中には、「かつての『宝島』が復活か」と期待される方も決して少なくないと思う。
翻って、この雑誌がこれから打って出る主戦場で覇を競うことになる他社週刊誌の面々は、果たしてどのような反応を示しているのだろう?数誌からコメントが寄せられている。
「すみません、ノーマークで何も言えません」(週刊ポスト編集長・坂本隆氏)
「特にコメントはないです。よそ様のことをとやかく言うつもりはありません」(週刊現代編集長・鈴木哲氏)
「見てみないとわかりませんね。今の段階でどうのこうのは言えません。我々はやるべきことをいつも通りやるだけです。
まあ、同じ週刊誌ということでは、活性化していいんじゃないですか」(週刊SPA!編集長・佐藤俊彦氏)
「今度ウチの誌面で宝島の応援歌をやりますので、それを見てください」(週刊プレイボーイ編集長・倉林徹夫氏)
さて、「宝島」から「週刊宝島」へと変わって、この雑誌は一体どんな雑誌になるのであろう。
各ライバル誌から寄せられたコメントの数々。「週刊宝島」はいよいよ明日、全貌を世にあらわす
残念ながら筆者には何とも言えない。実際のところ、作っている本人たちにも想像がついていないのではないだろうか。
これまで「宝島」ほど、常にイチかバチか、折り紙つきの破天荒振りを発揮してきた雑誌はないのだから。
ただ言えるのは、この雑誌が変貌を遂げるたびに、この国に新しいカルチャーが芽吹き広まり、
かつて発行部数7000部程度だった弱小雑誌が今では40数万部というメジャー誌へ成り上がってしまった、という稀有な事実だけである。
「特に週刊誌は大手出版社の寡占状態だからね。横並びの構造の中で編集者が何を作りたいのか、明確なものなどないんです。
折角週刊誌をやるからには、そこに風穴を開ける位の強烈なアンチテーゼであって欲しいし、成功してもらわなければ後が続かない」と語るのは渋谷陽一(ロッキング・オン代表)。
今までの「宝島」と違って、「週刊宝島」は明日からキオスクでも売られるそうだから、ちょっと興味が湧いたら買ってみるといい。
最後に、今から思えば「宝島」メジャー化の岐路となった80年代初期、この雑誌の「顔」だったミュージシャン・忌野清志郎のコメントを紹介する。
「宝島って何をやろうが『ウチは他とは違うんだ!』って想いとか『ヨソが採り上げないことを採り上げてやる!』みたいな独自の精神を感じる。
こういう精神はやっぱり大事にして欲しいね」(おわり)
文・前田知巳(コピーライター)
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