もとは畑だった約500坪の土地を買い、実際に土地の面積を測ってみたところ、登 記簿に記載されている面積よりも小さかった。 【解説】 まだ国土調査がすんでいない田舎の農村では、登記簿に記載されている土地の面積 と、実際の土地の面積とがくい違うことが珍しくない。これは明治時代に初めて登記 簿を作成した当時は、まだ測量技術が未発達だったことと、税金を安くするために地 主が面積を少なく申告したからだ。 登記簿に記載されている面積よりも大きい場合を「縄延び」、小さい場合を「縄縮 み」という。田舎の山林などの取引では縄延びしている場合が圧倒的に多いが、畑な どの取引では縄縮みしているケースもないわけではない。 きちんと正確な面積を出してからその土地の取引に入るのが本来望ましいわけだ が、測量にはお金がかかる。広い山林などで測量をしたら売買代金よりも測量代のほ うが高くついてしまうため、現実には境界確認だけで取引を行っているのが普通だ。 では仮に実測してみて登記簿面積より小さかったら、売主からその差額分を返還し てもらうことはできるのか? 事前に契約書でそういう趣旨の取り決めをしておかな ければできないことになっている。というのも登記簿の記載面積はあくまでも補足的 なもので、記載どおりの面積があることを保証したものではないとされているからだ。