TVアニメ2015年4月放送開始!! 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ

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あらすじ・新刊情報

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ

北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくる――。少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。

本気になるって、いいよね!
授業だけでは得られない、吹部女子たちの心の成長を描いた感動ストーリー!すべての音が、今、ひとつになる――。

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響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏

新しく赴任した滝昇の指導のもと、めきめきと力をつけ関西大会への出場を決めた北宇治高校吹奏楽部。全国大会を目指し、日々練習に励む部員のもとへ突然、部を辞めた希美が復帰したいとやってくる。しかし副部長のあすかは頑なにその申し出を拒む。昨年、大量の部員が辞めた際にいったい何があったのか……。“吹部”ならではの悩みと喜びをリアリティたっぷりに描く傑作吹部小説シリーズ第2弾。

“吹部”女子たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説、第2弾!!
全国大会出場を目指す久美子たちの、最高に熱い夏が始まる――!

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響け! ユーフォニアム 3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機

猛練習も日常となり、雰囲気もかなり仕上がってきた矢先、北宇治高校吹奏楽部に衝撃が走った。副部長で、部の要と言える三年生のあすかが、全国大会を前に部活を辞めるという噂が流れてきたのだ。母親との確執から、受験勉強を理由に退部を迫られているらしい。さらには、楽器に対する複雑な心境をあすかは久美子に打ち明ける。はたして大会の行方は――。

“吹部”女子たちの成長を描いた青春エンタメ小説の決定版!!

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響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話

北宇治高校吹奏楽部の活躍を描いた人気青春エンタメシリーズ、初の短編集。葵が部活を辞めた本当に理由が明かされる「あの子には才能がある」、葉月が秀一を好きになったきっかけとその後の顛末をつづった「好きな人の好きな人」、「とある冬の日」では、秀一が久美子についに告白!? など、北宇治吹部の面々の、甘酸っぱくてちょっぴり切ないヒミツの話をたっぷり盛り込んだ、必読の一冊!

弱小吹部の快進撃には“ヒミツ”があった!?
人気シリーズ最新作

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ついにコミック化!

このマンガがすごい! comics
響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ 1

TVアニメ放送開始直前!コミカライズ版『ユーフォ』を読んでおけば、予習はバッチリ!
もうひとつの少女たちの心重なる吹奏楽物語、開幕です!!


はみ(画)/武田綾乃(著)/アサダニッキ(キャラクター原案)

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このマンガがすごい! comics
響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ 2

少女たちの重なり始めた吹奏楽物語、待望のコミックス第2巻!
ホンキになるからこそぶつかりあう、キレイなだけじゃない青春がここにある!


はみ(画)/武田綾乃(著)/アサダニッキ(キャラクター原案)

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キャラクター紹介

黄前 久美子 おうまえ くみこ

担当楽器:ユーフォニアム

北宇治高校一年生

  • 身長 162cm
  • 誕生日 8月21日
  • 星座 獅子座
  • 血液型 A型
  • 好きなもの 卵料理、洋菓子。大好物はオムライスとショートケーキ。
  • 嫌いなもの 虫!特にトビケラ!

高坂 麗奈 こうさか れいな

担当楽器:トランペット

北宇治高校一年生

  • 身長 158cm
  • 誕生日 5月15日
  • 星座 おうし座
  • 血液型 O型
  • 好きなもの パスタ、柑橘系のジュース
  • 嫌いなもの 納豆

塚本 秀一 つかもと しゅういち

担当楽器:トロンボーン

北宇治高校一年生

  • 身長 181cm
  • 誕生日 9月18日
  • 星座 乙女座
  • 血液型 A型
  • 好きなもの 冷奴、スナック菓子、揚げもの
  • 嫌いなもの トマト(ケチャップは平気)

加藤 葉月 かとう はづき

担当楽器:チューバ

北宇治高校一年生

  • 身長 155cm
  • 誕生日 2月13日
  • 星座 水瓶座
  • 血液型 A型
  • 好きなもの 菓子
  • 嫌いなもの 野菜

川島 緑輝 かわしま さふぁいあ

担当楽器:コントラバス

北宇治高校一年生

  • 身長 148cm
  • 誕生日 11月3日
  • 星座 さそり座
  • 血液型 B型
  • 好きなもの 甘いもの、可愛いもの全部。爬虫類が大好き、ペットはイグアナ(名前はマカロン)。
  • 嫌いなもの 苦いもの、可愛くないもの。パソコン(操作方法が分からないから)

田中 あすか たなか あすか

担当楽器:ユーフォニアム

北宇治高校三年生
低音パートリーダー兼副部長
ユーフォニアムはマイ楽器。

  • 身長 171cm
  • 誕生日 12月25日(誕生日ケーキとクリスマスケーキが一緒にされる)
  • 星座 山羊座
  • 血液型 AB型
  • 好きなもの 猫、コーヒー、ビターチョコ、使える人
  • 嫌いなもの 犬、ココア、ミルクチョコ、使えない人

アニメ化新着情報

TVアニメ『響け!ユーフォニアム』2015年4月放送開始!!

響け!ユーフォニアム 2015年4月放送開始予定!

TVアニメ『響け!ユーフォニアム』公式サイト

  • 監督:石原立也
  • シリーズ構成:花田十輝
  • キャラクターデザイン:池田晶子
  • 制作:京都アニメーション
  • 製作:『響け!』製作委員会

定期更新 北宇治吹部だより

北宇治高校吹奏楽部のメンバーが贈る、とっておきのショートストーリーを隔週連載。
第1巻&アニメでは描かれないキャラクターたちの日常をお届け!(全10回)

2015.3.17第10回「それじゃあ、またね」

 太陽がゆっくりと沈んでいき、山の向こうへと消えていく。麗奈は目を細め、静かに息を吐き出した。駅のホームを通り抜け、改札を過ぎる。周囲には多くの学生の姿があったが、その中に知り合いはいなかった。
 テスト前であることを理由に、今日は部活動がなかった。重いスクールバッグを提げながら、麗奈はぼんやりといつもの帰り道を歩く。朝に雨が降っていたため、今日は自転車を家に置いてきた。分厚い雲も昼過ぎになるとすっかり姿を消し、夜色の空のあちこちで小さく星が瞬いている。
「麗奈、」
 声を掛けられ、麗奈は咄嗟に振り返った。見ると、息を切らした久美子がこちらに駆け寄ってきていた。白い手のひらがひらひらと振られる。彼女が足を動かす度に、紺色のスカートが揺らめいた。
「どうしたん? そんなに走って」
「いや、さっきホームを歩いてたら麗奈を見掛けたからさ。一緒に帰ろうかと思って」
 そう言って、久美子は少し照れたように頭を描いた。そう、と麗奈は素っ気ない言葉を返す。その反応に萎縮したのか、久美子はばつの悪そうな表情でこちらの顔を覗き込んだ。
「ダ、ダメだった?」
「別に、ダメとか言ってないよ」
「そっかー、良かった」
 久美子はホッとした様子で、安堵の息を吐いた。何だかペースを狂わされて、麗奈は意味もなく自身の髪を耳に掛ける。

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 京都大会が終わってからというもの、久美子と麗奈は時折一緒に帰るようになっていた。乱れる息を抑えるように、久美子が自身の胸を押さえる。夏用のセーラー服は白を基調としており、胸元にはスカートと同じ色をしたリボンが揺らめいていた。
「次は関西大会だね」
 横断歩道の前で立ち止まり、久美子がこちらへと語りかけてくる。麗奈は過ぎていく車に視線を向けながら、なおざりに頷いた。
「これからは猛特訓やな」
「大阪とか、すっごく強いしね」
「あそこらへんの強豪校に勝たなあかんわけやし、今までの練習やったら足りひんやろうな」
「うん。もっと頑張らなきゃね」
 そう言って、久美子はぎゅっと拳を握った。無意識の内に、麗奈は口許を綻ばせる。
 麗奈は自分が社交的な人間ではないことを自覚していた。それは別に最近に限った話ではなく、物心ついた頃から自分はそういう人間だった。自分の意見が誰かの気分を害すると分かっていても、それが正しいと思っていることであれば曲げることが出来ないのだ。目の前で笑う久美子のように、自分も他の人間に対して柔らかく接することが出来れば、きっと敵を作ることもなく学校生活を送っていけるのだろう。そう頭では確かに認識しているはずなのに、どうにもそうやって振舞うことが我慢できない。周囲に流されてしまうことに耐えられないのだ。そんな麗奈の性格に愛想をつかす人間は多くいた。いや、そもそも愛想をつかされるほど一緒にいた友達なんて、麗奈にはいなかったのかもしれない。小学校でも中学校でも友達同士で普通に会話することはあったけれど、特定の子と一緒にいることはあまりなかった。好きでもない子と、ただ一人は嫌だという理由で一緒にいられるほど、自分は大人ではなかったのだ。
「そういえばね、今度の調理実習でうちの班はクッキーを焼くことになったの。麗奈は何つくるの?」
「アタシのとこの班は、確かバームクーヘンやったような……」
「バームクーヘン? そんなの作れるの?」
 久美子が驚いた様子で目を見開く。茶屋を通り過ぎ、人通りは一気に少なくなる。流れる宇治川の音に耳を傾けながら、麗奈は肩を竦めた。
「わかんないけど、班の子達は張り切ってた。くるくる回しながら焼くんやって」
「へえ、凄いね。見てみたい」
「クラスが一緒やったら見せてあげられてんけどな」
「麗奈は進学クラスだもんね」
 そう言って、久美子は残念そうに眉尻を下げた。進学クラスで入学した麗奈と普通クラスで入学した久美子が同じクラスに割り振られることは絶対にありえない。麗奈は今のクラスメイト達のことも結構気に入っているのだけれど、もし可能なら久美子達と同じクラスになってみたかった。
「バームクーヘン、上手く出来たら久美子にあげる」
「ほんと? そしたらこっちのクッキーも麗奈にあげるね。交換しよう」
「うん」
 楽しみだね、と笑う久美子に、麗奈はそっと目を伏せる。久美子はとてもいい子だ。自分と違って優しいし、他人への気配りもきちんと出来る。他の子の悪口も言わないし、一緒にいてなんだか安心出来る。それに、久美子には友人がたくさんいるのに、わざわざ麗奈のところにまでやって来てこうして気さくに話しかけてくれる。麗奈にとって久美子と一緒にいる時間は凄く貴重で、キラキラした宝物みたいなものなのだけれど、久美子にとってはどうなのだろうか。そう疑問に思うけれど、麗奈は決してその問いを口に出したりはしない。他の人間が自分に対して何と思おうがどうでもいいけれど、久美子の本音を知ることは麗奈にとって恐怖だった。彼女にだけは、嫌われたくないと思う。ありのままの自分を受け入れてくれる、唯一の相手だから。
「あれ、そういえば普通にこっち来ちゃったけど、麗奈の家って逆方向じゃない?」
 宇治神社前で立ち止まり、久美子がハッとした様子で麗奈の顔を見る。なんでもない顔を繕い、麗奈は平然と答えた。
「大丈夫。この道からでも帰れるから。ここの階段登って、そのままいつの道に合流したらいいだけやし」
「へえ、そうなんだ」
「そうそう」
 本当は、もう少し久美子と話したかったから遠回りしただけなのだけれど。そんな考えを微塵も感じさせないように、麗奈はいつもの澄ました表情で久美子の方を見遣る。久美子はこちらの台詞に全く疑問を抱いていない様子だった。
「じゃ、私こっちだから」
 赤く塗られた橋を指差し、久美子が手を振る。うん、と頷き麗奈もまた手を振り返す。
「それじゃあ、またね」
「うん、また」
 別れの挨拶を交わし、久美子は軽やかな足取りで階段を上っていく。麗奈はその後ろ姿が完全に見えなくなるまで、ぼんやりとそこに立ち尽くしていた。右手に提げたトランペットケースが、夜の空気と同化している。波の音が静かに響き、それをかき消す様に遠くから子供達の笑い声が聞こえていた。
「……帰ろう」
 麗奈はぐっと伸びをし、それから階段へと足をかけた。茶色のローファーがきゅっと甲高い音を鳴らす。ふと振り返ると、久美子の渡っていった朝霧橋がよく見えた。赤く塗られた鮮やかな欄干も、夜になると闇の中にしっとりと溶け込んでいる。冷静になって考えてみると、久美子はいつも宇治橋を渡って家に帰っていた。それなのに、今日はわざわざ朝霧橋を渡って帰っていた。一体、なぜそんなことをしたのだろうか。その理由は、多分麗奈が抱いていたものと同じだろう。
「……考えることは一緒か」
 いつものようにそっけなく呟き、麗奈は静かに足を進める。彼女の表情は普段通り澄ましたもので、けれどもその足取りは普段よりほんの少しだけ軽やかだった。

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著者プロフィール

武田 綾乃 (たけだ あやの)
1992年、京都府生まれ。京都府在住。現在は京都府内の大学に通う大学生。第8回日本ラブストーリー大賞 隠し玉作品『今日、きみと息をする。』(宝島社文庫)でデビュー。

他の作品 『今日、きみと息をする。』