2022年 第20回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作 特許やぶりの女王 弁理士・大鳳(おおとり)未来(みらい) 南原 詠 Ei Nanbara 「あなたの才能は私が守る」弁理士がVTuberを救う!?特許をめぐるリーガルミステリー イラスト/田中寛崇2022年 第20回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作 特許やぶりの女王 弁理士・大鳳(おおとり)未来(みらい) 南原 詠 Ei Nanbara 「あなたの才能は私が守る」弁理士がVTuberを救う!?特許をめぐるリーガルミステリー イラスト/田中寛崇

特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来

南原 詠(なんばら えい)

特許権侵害を警告された人気VTuberを救うべく、
特許の専門家・弁理士の豪腕が炸裂する!
魅力的な新ヒロイン登場!

特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来

全国書店にて大好評発売中!

定価 1,540円(税込) 
ISBN:978-4-299-02436-7

WEB限定!『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳(おおとり)未来(未来)』の第一章全文を試し読み

更新情報

『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』のTVCM動画を公開いたしました。
『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』の第一章「試し読み」を公開いたしました!
全国からの応援メッセージを掲載いたしました!
2022年第20回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』特設サイト公開しました!

あらすじ

特許権を盾に企業から巨額の賠償金をせしめていた凄腕の女性弁理士・大鳳おおとり未来みらいが、
今度は「特許権侵害を警告された企業を守る」ことを専門とする特許法律事務所を立ち上げた。
今回のクライアントは、映像技術の特許権侵害を警告され、活動停止を迫られる人気VTuber。
奔走するも追い込まれた未来は、いちかばちかの秘策に打って出る。
特許のスペシャリスト・弁理士の豪腕が炸裂する!

知的財産の権利を守る“弁理士”とは?

弁理士とは、特許権や商標権などで広く知られる「知的財産権」に関する専門家で、個人発明家や企業に代わって知的財産の申請や保護をするのが仕事です。弁理士試験の合格率はわずか一桁で、文系の司法試験に並ぶ理系の最難関の国家資格ともいわれています。
「発明を生かすも殺すも弁理士次第」といわれており、権利の書き方ひとつとっても様々なコツがあります。発明や技術がすごくても、そのことをきちんと理解していない人が書くと、取得した権利がとんでもないものだったということも起きてしまいます。

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目新しさだけでなく設定も面白い

ビジネス小説的な(『半沢直樹』的な)駆け引きと、リーガルサスペンス的なロジックと、VTuberという旬の題材の魅力が融合して、たいへんスリリングかつユニークなミステリーに仕上がっている。

最終選考委員:大森 望/翻訳家・書評家

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弁理士という職業も新鮮

キャラクターがみな活き活きしていて、特許権侵害の事前交渉専門の弁理士という職業も新鮮、構成もしっかりしている。特許にまつわる法律のあれこれも「なるほど」と思わせ、絶対不利に思える状況をどう解決するのかで読ませる。

最終選考委員:瀧井朝世/ライター

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「VTuberこそ読むべき1冊!
私も大鳳未来に依頼したくなりました」

獅白ぼたん(ホロライブ所属VTuber)

© 2016 COVER Corp.

獅白ぼたん(ホロライブ所属VTuber)

著者ごあいさつ

著者ごあいさつ

南原 詠なんばら えい

プロフィール

1980年生まれ。東京都目黒区出身。
東京工業大学大学院修士課程修了。
元エンジニア。現在は企業内弁理士として勤務。

ごあいさつ

自身のキャリアに悩み弁理士を目指していた最中、特許論争を物語にしたら面白いのではというアイデアが生まれ、小説を書こうと決心しました。
本作は、特許のスペシャリスト・弁理士の主人公とVTuberが軸となる新たなミステリーです。
特に、主人公の大鳳未来が絶対的に不利と思える状況に立ち向かっていく特許論争は、自身の知識を生かしてこだわって書いた部分です。
特許というルールに基づき登場人物たちが攻撃と防御を繰り広げる、いわば知的スポーツゲーム感覚で楽しんでもらえたら幸いです。

『このミステリーがすごい!』大賞 編集部より

特許のスペシャリストである“弁理士”大鳳未来。もともとは、ヤクザまがいのいちゃもんをつけて企業から大金をせしめていましたが、そんな自分に嫌気がさし、「特許権侵害を警告された企業を守る」専門事務所を設立。
さぞ強い信念を持ち、慈愛に満ちたキャラクターなのだろう……と思いきや、やたら強気で、失礼で、犯罪なのでは?と心配になるような荒業を繰り広げる豪腕キャラ。叡智を尽くし、「本当の解決策」を魅せてくれる、新たなヒロインをご満喫ください!

すごいヒロイン!と、まったく新しい!ミステリーの誕生に絶賛の声

絶対勝ち目のない事案を驚異の知略で勝ちに導く、この弁理士ただものじゃない。
自分とは縁遠い世界だと思っていた特許にものすごく興味がわいた。
利用にも破壊にもつながる要注意扱いで、知性と感情が入り乱れる特許がミステリーになったら、こんなにのめり込むものなのか。
ドキドキしながら一気読み。
正攻法だけが解決につながるとは限らない。
プロフェッショナルで堂々としたキレる女、まだまだこの弁理士を見ていたい。続編希望!

ジュンク堂書店滋賀草津店/山中真理

「特許」×「エンタメ」×「ミステリ」の見事な融合に、1ページ目を開いた瞬間からのめり込み、ラストまであっという間に読み終えてしまいました。
数々の問題を局面打開していくヒロイン・大鳳未来さんが、かっこよく魅力にあふれています!
そして、スピーディで予測不可能な展開に目が離せません。
「特許」の知識がふんだんに盛り込まれた内容に「なるほど!」と勉強にもなります。
スカッと爽快な読後感! とにかく斬新で最高でした!

紀伊國屋書店福岡本店/宗岡敦子

大変面白かった。なんとも言えないスピード感。
そして今時らしいVTuberとリーガルサスペンス。
特許って難しいと思っていたけど、読んでみたらなんだかわかる気がしてくる不思議。
これがこの作品の魅力かもしれない。

宮脇書店ゆめモール下関店/
吉井めぐみ

大胆不敵なヒロインの流儀はどんなピンチもチャンスに変える。
スピード勝負の痛快さ、冴えわたる切れ味も最高!
この面白さは誰にも侵害できない。

ブックジャーナリスト/内田剛

特許の話とは難しそうと思いきや分かりやすく面白かった!
特許を利用して金儲けを企む人に特許のスペシャリスト弁理士・大鳳未来が落とし所をみつけ違法な作戦で問題解決!
強気なヒロインがとても魅力的です。この作品で弁理士のイメージが変わりました(笑)。
才能を守ることが弁理士の仕事という大鳳未来、そつ無く仕事をこなす弁護士・姚愁林(ようしゅうりん)、あふれる才能のVTuberトリィとクールな女性の活躍がとても痛快でした。
彼女たちの活躍をもっと見たいけど、この前章も気になります。パテント・トロール時代から事務所立ち上げまでの話も気になります。

BOOKSえみたすピアゴ植田店/
清野里美

特許と言ってもイメージと違って幅広く奥深く、複雑なものなんだと勉強になりました。
大鳳未来のキャラクターに釘付けです。
頭が切れて、論理的で、一切弱音がなく力強い。ただ依頼者への情もあって読めば読むほど愛すべき主人公でした。
未来の事務所の人間だけじゃなく、奥深いのはその先にまた別の専門調査事務所もあって話は次々と展開していきます。読書をしたというより論理ゲームを楽しんだ充実感があります。
次作きっと出してくれるだろう中国編を心待ちにしています。

ジュンク堂書店三宮店/三瓶ひとみ

タイトルがもうドラマだ…。
特許はよく聞くけど、弁理士はあまり聞きなじみがなくて、難しいのかなと思いきや専門用語はあれどエンターテイメントに富んでいて読みやすい!
大胆不敵なニューヒロインと謎の多い中国人弁護士コンビのこれからにも期待!

三省堂書店名古屋本店/田中佳歩

主人公を含め登場人物たちの魅力がこの作品の最大のポイントだと思う。
なんか好きだなとキャラクターたちを眺めているうちにどんどんストーリーに惹き込まれてしまった。
気づくと終盤、終わらないでと久しぶりに思ってしまった作品でした。
弁理士ってあまり聞き慣れない仕事に触れられ、さらに今の世の中の流れを絶妙に取り入れた作品なので彼女たちのこれからの活躍にも期待しています。

八重洲ブックセンター営業部/
狩野大樹

この主人公ならやってくれる!というワクワク感と信頼感。
「未来」という名の通り、腕っぷしで次なる一手を切り拓く爽快さ、個性強すぎなキャラクターたち、そして局面をひっくり返すその背中の頼もしさ。
どれをとってもエンタメ小説として最高峰! 誰でも知っている「特許」の舞台裏とも言えるこの作品は、読者の知識を拡張するアドレナリンすらも備えている。
まだまだ彼女たちの活躍が見たい! 続編を期待しています。

ジュンク堂書店吉祥寺店/田村知世

特許に関してほぼ知識無くてもこれがいかに正攻法では無いということだけは良くわかります(笑)。
ほんまに?ほんまにいける?と心配させながらも、キャラの持ち前の強さで安心感もしっかり与えてくれる作品。
ハラハラした~~~!

紀伊國屋書店梅田本店/辻本彩

特許権を軸に繰り広げられる知的エンターテイメント。
私にとって普段馴染みのない特許権侵害を巡るストーリー展開は非常に新鮮で終始感心しきりでした。著者が業界に詳しい現役弁理士だからこそ主人公の特許権侵害事前交渉専門弁理士というニッチな設定も生き生きと描けている。
題材はきっと無限大。未来たちの次の戦いが楽しみです。

丸善書店日本橋店/松橋由紀子

正直、最初は聞き慣れない単語も多く、少しとっつきにくかったのですが、後半、巻き返しが始まった辺りからは圧巻で、最後まで一気に読み進めてしまいました。
トリィに関する余韻のある終わり方も個人的には好きです。
シリーズ化や映像化なんかも期待したいです!

宮脇書店和歌山店/岩瀬竜太

特許、と聞けばドクター中松か早口言葉か、くらいしか思い浮かばない程度には無知です。
そこに「弁理士」という職業。これはいったいどういう話なんだ、とワクワクしながら読みました。いやぁ、大鳳未来に惚れました。
なんというか、1000メートル全力疾走、という感じの読み応え。
知的興味と興奮両方刺激されつつ不利な状況のなかどう転ぶか転ばせるか、のドキドキも加味加味。特許取得やVTuberを目指す人必読。いや、目指さなくても必読。
エンタメましましリーガルサスペンス!!

精文館書店中島新町店/久田かおり

新しい分野のお仕事ミステリここに爆誕!!
特許・VTuberという特殊な世界を舞台に、降りかかる様々なトラブルを型破りなヒロイン・未来が解決していく。
普通に生活していくなかで理解するのが難しそうな設定も、軽快なテンポで読み進めていけます。
また、未来のちょっぴりダークな解決方法も読みどころ。
現役弁理士作家ということで、もしや現実でもこうなのか?と思わされるリアリティ。
未来の未来(次回作)が、楽しみ!!

山下書店世田谷店/漆原香織

主人公・大鳳未来が、活動停止を迫られるカリスマVTuber・トリィに、「あなたの未来は私が守ります」と言い切る場面のカッコよさ。
そして、プロフェッショナルな仕事ぶりに胸がすく、大賞史上屈指の痛快なクライマックスに喝采!

ときわ書房本店/宇田川拓也

宝島社が、またすごいエンターテイナーを掘り当てた!
特許権のオーソリティー弁理士というあまり馴染みの無い職業も、現役弁理士の著者の手にかかると、何とも魅力的な仕事として体感出来て、破天荒なヒロイン・大鳳未来を中心に繰り広げられる丁々発止の闘いから、目が離せない。
良質なボードゲームの対局を見ている様で、刻の人・藤井聡太四冠をもしのぐスリリングな闘い、まさに詰むや詰まざるやの緊迫した攻防が繰り広げられ、手に汗握る臨場感。
確かに「このミステリーはすごかった!」。次回作が、既に待ち通しい。

大垣書店イオンモールKYOTO店/
井上哲也

大鳳(おおとり)未来(みらい)先生に質問!「特許」って何?

知的財産のひとつである「特許」について大鳳未来先生が皆さんの質問にお答えします。
※以下の回答は大鳳先生の見解であり、弁理士全体の公式見解ではありません。

質問1

そもそもなんで特許制度なんてあるの?

大鳳未来先生からの回答

回答

発端は、天才たちをどうやって褒めるかでした。
歴史的にみると、頭のいい権力者は天才たちに寛容です。優れた才能は自分の国の利益につながるからです。偉業を成し遂げた者には国を挙げて褒めます。
しかし問題がありました。褒め方です。
褒め方にも「単に褒める」「お金をあげる」「地位をあげる」などいろいろありますが、上手な褒め方となると難題です。下手な褒め方をしたら天才たちは不貞腐れて頑張らなくなります。
権力者たちがよい褒め方を模索するなか、「独占させる」というやり方が出てきました。何もあげないけど勝手に真似する奴は国家権力でなんとかしてやろう、と。
これが天才たちに大ヒットでした。以降、ヨーロッパを中心に「独占させる」褒め方が流行します。
これが現在の特許制度に繋がります。

質問2

世界最古の特許は?

大鳳未来先生からの回答

回答

世界で最初の特許は、1421年イタリアのフィレンツェ共和国で建築家ブルネレスキに対して与えられました。大聖堂建設に必要な大理石運搬船の発明です。ブルネレスキは資材運搬船から生まれる「全ての利益」を3年間保証されました。
独占期間は3年と短めですが、大理石の資材運搬船による「全ての利益」を独り占めできるわけですから超強力です。ブルネレスキ以外は資材運搬船に関われなくなりますね。運搬船だから、隠れて造ろうにも大きすぎてすぐバレたでしょうし。ブルネレスキの完全な一人勝ちです。

質問3

日本で最初の特許はなんですか?

大鳳未来先生からの回答

回答

日本の特許第1号は、明治18年7月1日に東京府の堀田瑞松(ほったずいしょう)さんにより出願された「堀田式錆止塗料とその塗法」です。実はこの日は日本初の特許法「専売特許条例」が施行された当日です。特許法を出待ちしての出願です。
特許された塗料は、船底防錆塗料として当時の軍艦や民間船舶に用いられました。発明者の堀田さんは、現在の日本化工塗料株式会社の創業者です。

質問4

世界各国ではどれくらいの数の特許侵害訴訟が行われているんですか? あと訴訟額はどれくらいになるんですか?

大鳳未来先生からの回答

回答

2007年から2017年までのデータによると、世界1位の侵害訴訟大国は中国(7744件)です。2位はアメリカ(298件)ですね。日本は第3位です(111件)。日本は意外に多いほうなのですが、中国が多すぎて中国とそれ以外の国という状況ですね。
訴訟額だったらアメリカが世界1位です。侵害訴訟の3件に1件で、10億円以上の損害賠償額が認容されています。
というのも、アメリカには「3倍賠償制度」という特別ルールがありまして、悪質な侵害だったら賠償額が3倍まで増加します。すごいルールですね。この影響のせいかもしれません。
中国の場合、侵害訴訟の約94パーセントは賠償額500万円未満です。額はそこまで大きくない……と思っていたら、最近中国は「5倍賠償制度」なる特別ルールを導入しました。悪質な侵害だったら賠償額が文字通り5倍まで増えるものすごいルールです。アメリカに対抗した?
なお日本ですが、訴訟額の中央値は2400万円。安くはありませんが、アメリカと比較したら平和なほうです。3倍ルールも5倍ルールもありませんし。

質問5

特許出願をしたいのですが、東京特許許可局はどこにありますか?

大鳳未来先生からの回答

回答

いまだにいたのか、こんな架空の省庁の存在を信じている奴が!
……失礼しました。東京特許許可局は実在しません。早口言葉です。特許出願は特許庁にします。東京の霞が関にあります。……ま、特許出願はネット上でできるので、実は特許庁の場所はあまり関係ないのですが。
ネットで特許庁を検索するときは、わざわざ漢字で「特許庁」と入れなくともアルファベットでJPO(Japan Patent Office)と入れれば出てきます。あと特許だけでなく実用新案、意匠、商標も取り扱う省庁です。
なお、特許権は各国で別々です。日本の特許権を取りたかったら日本に出願しますが、アメリカならアメリカの特許商標庁に出願しましょう。

質問6

あえて特許を取らない人もいると聞いたのですが。

大鳳未来先生からの回答

回答

特許による独占は期限付きです。日本の場合、特許権の存続期間は出願から20年。長くても25年です。つまり特許を取得しても、いつかそれは「みんなのもの」になってしまいます。
だとすると、ある技術で20年以上ビジネスを続けたいなら、特許を取得せず「ずっと秘密にする」という選択肢も判断としてありなわけです。
これを極端にやっている企業がコカ・コーラ・カンパニーといわれています。以下、確認が取れていない話も含めて噂を並べます。

  • コカ・コーラのレシピは秘密とされており、金庫で厳重に保管されている
  • 金庫を開けられるのは社長と顧問弁護士だけらしい
  • この2人に万が一があるとレシピが失われるので、2人は同じ飛行機に乗ることを禁じられている
  • 原料には漢方薬も含まれるとか
  • コカ・コーラの製造工場では、各セクションが独立しており、従業員は他の従業員が何をしているかわからないようになっている
  • 従業員自身も自分がどんな仕事をしているのかわからないようになっている

……書きながら自分でも「本当か?」と思わざるを得ません。
しかし、大規模な事業を行う技術について特許を取得せずに秘密を守るとするならば、このレベルまで徹底する必要があるわけです。
昨今の情報技術の発展により、秘密は守りにくくなりました。経営戦略としてあえて特許を取得しないやり方はありだと思います。
一方で「秘密の管理が面倒臭いから特許を取っちまえ」という考え方もありだと思います。

質問7

特許が取れないものってあるんですか?

大鳳未来先生からの回答

回答

医療行為(手術・治療・診断方法)は特許されません。
理由はいろいろな説があるのですが、日本の場合「医者を困らせてはならない」説が有力です。
酷い例で申し訳ないのですが、例えばあなたが交通事故に遭ったとします。救急車で病院に運ばれ(申し訳ありません)、医者は緊急手術が必要と判断(重ねて申し訳ありません)。しかし怪我の位置が悪く通常の手術は困難だとします(重ね重ね申し訳ありません)。
しかし、ここで医者は「普通のやり方では手術できないが、ちょっとやり方をアレンジすればうまくいきそうだ」と、新しい手術方法をその場で思いつきました(運がいいですね!)。
問題はここからです。
医者は天井を見上げながら、目を細めてこう考えるわけです。
「ところでこの新しい手術方法、誰かの特許権を侵害していたりしないだろうか」
いやいや、侵害とかどうでもいいから今すぐ助けてくれよ!と思うでしょう。私も思います。
しかし、ひょっとしたらその医者は少しでも心配事があったら手術の成功率が下がる人かもしれません。頭の片隅に「損害賠償額はいくらくらいなのか」「やっぱり普通の手術方法でやろうかな、失敗するだろうけど」など、変な考えが引っ掛かっていたら、医者は手術に集中できないでしょう。
このように医者を困らせる状況はあってはならないため、現在日本では「医療行為は特許しない」運用をしています。
一方で、薬や医療機器(MRIとか)は特許権を取得できます。ややこしいですね。
なお、ヨーロッパは医療行為を発明として認めていません。アメリカでは特許権は取得できるのですが、差止や損害賠償請求はできないことになっています。

参考文献

  • 特許庁HP
  • 日本弁理士会HP「社長の知財」
  • 日本化工塗料株式会社HP
  • 平成29年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書「特許権侵害における損害賠償額の適正な評価に向けて 」
  • 特許庁「特許権侵害に係る損害賠償制度について」

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祝20周年!『このミステリーがすごい!』大賞 歴代大賞作品ご紹介 公式キャラクター ニャームズ:謎が大好きな黒猫探偵 キャットソン:しっかり者の助手 ©坂崎千春祝20周年!『このミステリーがすごい!』大賞 歴代大賞作品ご紹介 公式キャラクター ニャームズ:謎が大好きな黒猫探偵 キャットソン:しっかり者の助手 ©坂崎千春

『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』南原詠・著にて、『このミステリーがすごい!』大賞は20周年を迎えます。

ブックガイド『このミステリーがすごい!』(1988年末にスタート)から生まれ、
皆様に育てていただいたミステリー&エンターテインメントの新人賞として、一つの節目を迎えることができました。

また、皆様のご支援により、多くの人気作家と映像化作品を世に送り出すこともできました。

本当にありがとうございます。

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