フランス絵画史
最大の謎
ラ・トゥール畢生の名画を探し出せ!
消えた絵画の行方を追うヒロイン。
相続のマジック、交錯する嘘と実、騙し合い、裏切り
― 最後に笑うのは誰だ?
相続のマジック、交錯する嘘と実、騙し合い、裏切り
― 最後に笑うのは誰だ?
三十年前、顔を切り裂き、謎の自殺を遂げた天才画家・鷲沢絖。その妻の死体が、今ではゴミ屋敷と呼ばれている鷲沢邸から発見された。しかもその顔はどす黒く変色し、どろりと溶けていた。遺産相続人として母を指名された高林紗貴は、屋敷からある絵画がなくなっていることに気づく。作者はジョルジュ・ド・ラ・トゥール、約二百六十年の長きにわたり忘れ去られていた、フランス絵画史における最も謎めいた画家。計り知れない価値を秘めたその絵画の行方を探り始めた紗貴だったが、同時に周辺で不気味な出来事が起こり始める。年若い紗貴の恋人、相続を巡りライバル関係にある青年、姿を消してしまった絵画コレクターの父。いったい誰が味方で誰が敵なのか。ラ・トゥールと、見る者の心を揺さぶる鷲沢絖の断筆「顔を引き裂かれた自画像」。──これらの絵画に隠された真実とは。
- 文庫化して、2007年07月12日に宝島社文庫『いかさま師』を発売しました。