長期受刑者の過酷な実態!
1976年に強盗殺人事件を起こし、無期懲役判決を受けた30歳の在日青年。31年間の服役生活を経て、ついにシャバへ戻る日がやってきた。現代の「浦島太郎」が見た、変わり果てた地上の光景とは――。知られざる長期刑務所の実態、有名受刑者たちとの交流、そして人間の生きる意味を問いかける迫真のドキュメント。登場人物に、連合赤軍戦士・吉野雅邦、紅白歌手・克美しげる、オウム真理教医師・林郁夫、寸又峡事件・金嬉老、獄中作家・見沢知廉、狭山事件・石川一雄、元F1オーナー・赤城明、両親金属バット殺害事件の一柳展也ほか。
- 改訂・改題し、文庫化して、2013年07月04日に宝島SUGOI文庫『私と過ごした1000人の殺人者たち』を発売しました。
目次
- はじめに
序章 浦島太郎
ある雨の日の朝
ポートタワーからの風景
仮釈放へのハードル
悲願の「しょうゆラーメン」
ヒャッキンの衝撃
…ほか
第一章 無期懲役に処す
オンドルと薪
ギタリストの夢
同志社大学を中退
「鰻の鎮魂歌」
エリモジョージの記憶
…ほか
第二章 大阪刑務所第四区
右も左も殺人犯
「マー坊」の恋
すべてのカギを開ける男
金属工場にいた死刑囚「萬谷義幸」
有期刑と無期刑の違い
…ほか
第三章 灰色の青春 千葉刑務所の顔役たちⅠ
「密造酒」事件発生
『スコラ』『べっぴん』なんでも無修正OK
オニタケ伝説
「狭山事件」石川一雄さんの「ボンド事件」
「布川事件」桜井と杉山の反目
…ほか
第四章 熱中時代
「一仙人」になった「吹原産業」社長
「貝塚バンド」の実力者たち
「無期限定」短歌クラブ
元ロッテ・小川博のソフトボールデビュー
大学入試問題の印刷事情
…ほか
第五章 蜃気楼 千葉刑務所の顔役たちⅡ
「拳銃密輸王」金田仁の告白
北海道警の「シャブ警部」稲葉圭昭
ノックアウト強盗の天才的犯罪センス
中国人画家の「世界に一つだけの手鏡」
「コースアウト」したF1オーナー・赤城明の素顔
…ほか
第六章 蕩児の帰宅
「原点に戻る」
「眠りえぬ者に夜は長し」
苦節30年で「仮面接」の呼び出し
「刑務所に戻りたい」
あとがき