しょせん、俺はチンピラだった。
得度から1年――
伝説の組長はなぜ、山口組を去ったのか?
戦後愚連隊社会、創価学会との攻防、山一抗争、
伊丹十三襲撃事件、バブル経済、政界との交流。
日本の深層を生き抜いた人物の半生と人生哲学。
かつて伊丹十三監督襲撃事件などで日本社会を震撼させた武闘派団体・後藤組の後藤忠政組長。2008年10月に山口組を電撃引退し、翌年には天台宗系の浄発願寺で得度(得度名=忠叡)。日本中をあっといわせたのは記憶に新しい。
それから1年……財界・政界にも大きな影響力を発揮し、山口組の直参として、日本の深層を生き抜いた後藤忠政とは、いかなる人物なのか?本書は、半年にわたる延べ50時間のインタビューを構成したもので、これまでその人物像が明かされることのなかった伝説の組長の生い立ち、静岡県富士宮を舞台にした愚連隊時代、山口組直参昇格、竹中正久四代目の思い出、山一抗争、伊丹十三襲撃事件、孤高の民族派・野村秋介との交友、企業社会への進出、政界との交流、武富士との攻防、山口組引退の真相、そして自身の人生哲学から女性哲学までが、たっぷりと語られる。
激動の半生を送ってきた人物が語り下ろす、今年、注目度ナンバーワンのノンフィクション!
- 改訂して、2011年05月12日に宝島社文庫『憚りながら』を発売しました。
目次
- 本書の刊行にあたって
まえがき 「是でもなく、非でもなく」
第1章 血筋
留置場で芽生えたプライド
一杯飲むと大狂いの親父
富士宮の大財閥だった祖父
…ほか
第2章 富士宮愚連隊
静岡で一番ヤバい町
一度逃げたら、一生逃げることに
日本刀で現役ヤクザを滅多斬り
…ほか
第3章 イケイケの時代
「大リーグ」からのスカウト
戦国武将のような“領土拡大”
後藤を破門しろ
…ほか
第4章 創価学会との攻防
富士宮の小佐野賢治
創価学会への内容証明郵便
元公明党都議との密会ビデオ
…ほか
第5章 山口組直参
四代目・竹中正久親分の思い出
山一抗争と極道の大義
四代目の跡目をめぐって
…ほか
第6章 生涯の友・野村秋介
本当に素敵な出会い
石川重弘カメラマン救出作戦
糸山英太郎襲撃事件
…ほか
第7章 東京進出
大物仕手・竹井博友
川崎定徳・佐藤茂との出会い
フロント企業の増殖
…ほか
第8章 バブルの勝者
勝っても我慢、負けても我慢
伊丹十三襲撃事件
武富士の裏切り、中江滋樹の逃亡
…ほか
第9章 政界の品格
永田町備忘録
現役大臣が手形を持ち込む
大義がなかった小泉首相の“ケンカ”
…ほか
第10章 渡米肝移植
刺青と肝臓病
入国できないはずの米国で移植できた理由
家族3人、奇跡のハワイ旅行
…ほか
第11章 引退の決意
「力こそ命」の時代の終わり
オウム真理教と後藤組
宅見若頭射殺事件後の締め付け
…ほか
第12章 得度
刺青を入れた住職
一隅を照らす これ国宝なり――最澄の教え
袴田事件への思い
…ほか