諸葛亮の没後、魏・呉・蜀
三国はどうなったか?
『演義』が触れなかった『三国志』のそれから
いままで描かれなかった知られざる「三国志」。姜維、鍾会、司馬昭、司馬炎、孫晧、陸抗、曹爽、夏侯玄――あの英雄・名族の子孫たちは、いかにのちの世を生きるのか?諸葛孔明の死後の「三国志」を、「三国志正史」研究の第一人者・坂口和澄氏が描きます。「三国志演義」が描かなかった失われた後半50年。孔明の北伐・病没から、司馬氏の跳梁、そして呉の滅亡――晋による三国の統一までを、多数の地図や年表を用いて解説します。
目次
- まえがき
三国時代地図
凡例
第一章 諸葛亮の南征・北伐
(1)孔明の南征――「七擒七縦」伝説(二二五年)
(2)第一次北伐――馬謖起用の失敗(二二八年)
(3)第二次北伐――郝昭の善戦に屈す(二二八年)
(4)蜀の武都・陰平占領と魏の漢中進攻(二二九年/二三〇年)
(5)第三次北伐――司馬懿に大勝したが(二三一年)
(6)第四次北伐――秋風五丈原に星落ちて(二三四年)
第二章 諸葛亮没後の三国時代
(7)蔣琬が孔明の重任を継ぐ(二三五年)
(8)司馬懿の公孫淵討伐(二三八年)
(9)曹叡の死と曹爽・司馬懿の対立(二三九年/二三九~二四九年)
(10)蔣琬の北伐計画と曹爽の蜀進攻(二四三年/二四四年)
(11)孫権の老耄が招いた「二宮の変」(二四二~二五〇年)
(12)蔣琬・董允の死と毌丘倹の高句麗征伐(二四六年/二四四~二四六年)
(13)羌族を救えぬ姜維、芝居する司馬懿(二四七年/二四八年)
(14)司馬懿に嵌められた曹爽の死(二四九年)
(15)姜維が郭淮・陳泰に大敗(二四九年)
(16)「二宮の変」の終熄と魏の呉進攻(二五〇年)
…ほか
第三章 鼎立の崩壊と三国時代の終焉
(33)蜀が滅んで鼎の一足を缺く(二六三年)
(34)姜維の奇策も鍾会の野望も成らず(二六四年)
(35)気骨を示した蜀将たちと劉禅の晩年(二六四年)
(36)孫休の急死で孫晧が帝位に(二六四年)
(37)「曹髦殺し」の黒幕司馬昭の死(二六五年)
(38)司馬炎、簒奪して晋の帝位に(二六五年)
(39)交州争奪戦と陸凱の孫晧廃位計画(二六九~二七〇年/二六六年)
(40)暴虐と愚行を繰り返す孫晧(二六四~二八〇年)
(41)陸抗と羊祜の対峙と鮮卑の侵入(二七二年~ /二七〇~二七九年)
(42)征呉の機運が昂まった晋(二七二~二七九年)
…ほか
三国志略年表
参考書目
あとがき