心底凄いと思う
多くのものに出会った
見るのでなく、読んでほしい。
俳優・東出昌大初の写真集にして、20代最後のロードムービー・フォトブック。東出昌大は、群馬、新潟、山形、青森の大自然や人々に出会う旅に出ました。雪山での狩猟……、縄文人の起源の地に立ち……、出羽三山で山岳信仰に触れ……、太平洋で漁に挑む……。旅は8日間におよびました。命と日本人のルーツを巡り掴んだのは、窮屈な「いま」に風穴をあける、未来への鍵だったのです。本写真集のアートディレクターは、森山大道や蜷川実花といった日本を代表する写真家の写真集を手がけたグラフィックデザイナーの町口覚。彼が、「頭で考えるな、身体で掴め」をコンセプトに東出にオファーし、企画が実現しました。写真は、東北の人・文化・自然に魅了され、写真集『東北』で2011年に木村伊兵衛写真賞を受賞した田附勝。荘厳な自然に身を置き、野生動物と向き合う、これまでに見たことのない東出の表情と彼が感じた言葉によって綴られた、ドキュメンタリー写真集がついに完成しました。
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11月、東京に54年ぶりの雪が降った日、東北をまわる旅に出た。
何泊なのか、どこへ行くのかも分からない。
与えられたテーマは「感じる」。
人と出会い、様々な出来事を通して、感じ、考えた。
人間を考え、先人を考え、自分を考え、日々を考えた。
田附勝さんが撮影した一枚一枚の写真を、「見る」ではなく、「読もう」としてみて下さい。
この写真集が、僕と同じ様に、閉塞感や焦燥感を覚える日々を過ごす人にとって、何かを考えるきっかけになればと。
その先でちょっとでも楽になってもらえればと。心から思います。
東出昌大
東出 昌大(ひがしで まさひろ) プロフィール
俳優
1988年埼玉県生まれ。2012年に映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。同作で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。翌年、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で注目を集める。近作に、映画『クリーピー 偽りの隣人』、主演映画『デスノート Light up the NEW world』など。羽生善治役を演じた映画『聖の青春』では第40回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。今後の出演作として、テレビNHK大河ファンタジー『精霊の守り人』シリーズ、映画『関ヶ原』(2017年8月26日公開予定)など。
町口 覚(まちぐち さとし) プロフィール
グラフィックデザイナー、パブリッシャー
1971年東京都生まれ。「マッチアンドカンパニー」主宰。森山大道、蜷川実花、大森克己、佐内正史、野村佐紀子、荒木経惟など日本を代表する写真家の写真集をはじめ、映画・演劇・展覧会のグラフィックデザイン、文芸作品の装丁などを幅広く手掛ける。2005年、自ら写真集を出版するためレーベル「M」を立ち上げ、2008年より世界最大の写真の祭典「PARIS PHOTO」に出展、世界を視野に“日本の写真集の可能性”を追究している。2009年、2015年に造本装幀コンクール経済産業大臣賞、2014年に東京TDC賞などを国内外で受賞多数。
田附 勝(たつき まさる) プロフィール
写真家
1974年富山県生まれ。1995年よりフリーランスとして活動を始める。2007年、デコトラとドライバーのポートレートを9年にわたり撮影した写真集『DECOTORA』(リトルモア)を刊行。2006年より東北地方に通い、東北の人・文化・自然と深く交わりながら撮影をつづける。2011年、写真集『東北』(リトルモア)を刊行、同作で第37回木村伊兵衛写真賞を受賞。写真集『その血はまだ赤いのか』(SLANT/2012年)、『KURAGARI』(SUPER BOOKS/2013年)、『「おわり。」』(SUPER BOOKS/2014年)、『魚人』(T&M Projects/2015年)など。