靖国、9条、嫌韓、嫌中
軍人たちを知れば見えてくる
先の大戦以来、戦争と縁遠いまま60年以上が経過した。戦争を実感することに乏しくなっている昨今だが、「戦争の只中に立つ者」の存在については、忘れるべきではないし、より多く語るべきではないだろうか。彼らと彼らの背景にあった諸相を眺めることで「戦争の匂い」のなんたるかが少しづつ見えてくるはずだ。核武装論が公に議論されるようになった今だからこそ知っておきたい「戦争の現実」。A級戦犯から下級兵士まで46人の“思い”と“生き様”から何が見えるのか。
編著者紹介 |
目次
- まえがき
第1章 旧日本軍の「巨星」が伝えるメッセージ
戦時下における微妙な立場 昭和天皇 大元帥・昭和天皇の心にあったもの
戦争の張本人と目された男 東條英機 「大日本帝国の悪の権化」か「同情すべき硬骨漢」か
不退転の決意、ハワイ奇襲作戦 山本五十六 先進的な海軍エリート「智将」の代表格
…ほか
第2章 殉難者か、戦争犯罪人か 知られざる「A級戦犯」たち
孤独なるA級戦犯 板垣征四郎 石原莞爾とともに満州国建国に命を懸けた“陸軍随一の中国通”
「ビルマの屠殺者」という別名 木村兵太郎 東條・武藤の陰に隠れながらも悲運の最期を遂げた陸軍大将
「東方のロレンス」の末路 土肥原賢二 日中戦争の始点で際立つ役割 ラスト・エンペラーの横にいた男
…ほか
第3章 「正義はわれにあり」 一念を胸に立った行動者たち
五十六と交わした「五峯録」 古賀峯一 “国民的英雄”亡き後の太平洋を指揮した悲運の連合艦隊司令長官
敵は陸軍! 陸軍と闘い続けた 米内光政 陸軍の暴走に抵抗し続け総理も務めた海軍の“肝っ玉”
青年将校の後ろ盾 真崎甚三郎 二・二六事件の黒幕となった尊皇絶対主義者
…ほか
特別インタビュー 水木しげる 軍人が尊敬の対象? それはありません。 それは明治時代の話じゃないですか。
第4章 胸にあるは「庶民の心」下級兵士かく生き、かく戦えり
零戦の英雄 坂井三郎 戦後に爆発した日本海軍航空隊エースの誇りと怒り
二・二六事件の中心人物 安藤輝三 最後まで蹶起をためらい孤立無援に自決を試みる
“神風特攻第一号”の真偽は 関 行男 最愛の新妻のため米空母に爆弾を抱いて突っ込む
…ほか
第5章 われら「戦後」にそれぞれの重き荷を負う
日本陸軍の“ユダ” 田中隆吉 「裏切り者」と呼ばれてもA級戦犯を責めたてた男
力尽きたボロボロの老兵 小磯国昭 首相に担ぎあげられた「朝鮮の虎」は竹槍を振りかざす
細菌兵器部隊「七三一」を創設 石井四郎 人体実験を命じた男と「生物兵器」の暗闇
…ほか
第6章 「熱き思い」が織り成す両極 智将か愚将か
“軍神”の称号を与えられた戦闘機乗り 加藤建夫 連戦につぐ連戦、休みない戦いに散った陸軍戦闘機隊の至宝
終戦後に総決起を叫んだ 小園安名 「まだ戦える!」 徹底抗戦を主張してクーデター未遂
米軍に最も高く評価された指揮官 栗林忠道 “弱卒”を率い硫黄島戦を指揮 最期まで兵士とともに戦った将軍
…ほか
特別編 明治男の魂を具現化した軍人たち
“聖将”と呼ばれた明治最後の武人 乃木希典 崩御した明治天皇を追い妻とともに自害し果てた
世界に知られた日本の英雄 東郷平八郎 ロシアのバルチック艦隊に勝利 「東郷ターン」という戦術
日本海軍をつくった男 山本権兵衛 「陸主海従」の組織に異を唱え実践したバンカラ
…ほか
著者紹介・参考文献