迷ったとき、難局を迎えたとき――
羽生は決断し、必ず一歩前に踏み込む
20年間にわたり、将棋界のトップランナーとして活躍を続ける羽生善治。その生き方と哲学、考え方を一冊に集約した決定版。勝負と思考の世界を究める羽生イズムをまとめた本書は、将棋というジャンルを超え、老若男女が読める「人生の哲学書」。日本将棋連盟会長や、羽生のライバルへのインタビューも。写真は羽生を小学生時代から追い続けた弦巻勝氏撮影。
- 改訂し、文庫化して、2011年10月06日に宝島社文庫『羽生善治 考える力』を発売しました。
目次
- イントロダクション
羽生善治10の伝説
(1)七冠制覇………………将棋界の史上最も長い日
(2)小学生名人……………羽生将棋の「風格」原点
(3)中学生棋士デビュー…谷川が見守った初戦
(4)最年少竜王……………史上最年少で頂点へ
(5)「島研」…………………10代棋士たちの梁山泊
…ほか
1章 羽生の考え
スペシャル・インタビュー
羽生善治39歳「いま、私の考えること」
「記憶は衰えても、自分の持つ力をバランスよく使う力は向上している」 インタビュー=畠山直毅
羽生善治の将棋「実力別」 スーパー上達講座
「上達」のためにあなたはなにをすべきか 構成=上地隆蔵
(1)初心者編……………ルールを覚え、最終目標「詰み」を理解する
(2)初級者編……………王手をかけることより次に詰む「必至」を目指す
(3)中級者編……………誰でも努力によって初段には必ず到達できる
(4)上級者編……………同一局面で複数の手を考え、最善手を選択する
(5)プロ級編……………専門的トレーニングと「マイナスの手を指さない」技術
名人が語る「私の修行時代」
2章 私と羽生善治
米長邦雄(日本将棋連盟会長) 「羽生は必ず自分の意見を持つ。だから彼は私の最大の相談相手である」
取材・文=本誌編集部
中原 誠(十六世名人) 「彼は私の得意戦法からほとんど逃げなかった。私が大山先生にそうしていたように」
取材・文=椎名龍一
徹底討論ブチ抜き13P
西條耕一(読売新聞記者)×小暮克洋(将棋観戦記者) 将棋界最大の謎「羽生はなぜ強いのか」
構成=大川慎太郎
棋士撮影30年 写真家・弦巻 勝
カメラマンが語る「被写体としての羽生善治」
3章 記者たちが見た「天才」
竜王戦―――ロンドンで英語に目覚めた羽生善治 小田尚英(読売新聞東京本社)
名人戦・王将戦―――「第52期名人戦」谷川浩司との死闘 山村英樹(毎日新聞社)
王位戦―――「7割」勝つ羽生は「3割」の負けを引きずらない 高林譲司(新聞三社連合)
王座戦―――驚異の記録「18連覇」を読み解く 神谷浩司(日本経済新聞社)
棋王戦―――羽生の「人間力」を形成する7つのキーワード 橘 孝幸(共同通信社)
棋聖戦―――「同一ホテルで異なる棋戦を帰京せず連チャン対局」の珍記録 藤田昌俊(産経新聞社)
特別寄稿「コスモポリタン・ハブ」 文=ヒガシコウヘイ
写真とともに振り返る―――心に残る「羽生語録」
4章 羽生善治ヒストリー
プロが驚く偉業の金字塔群 記録で見る「羽生伝説」の真実 文=相崎修司
(1)中学生プロデビュー
(2)記録4部門独占4回
(3)史上最大伝説「七冠王」
(4)史上最多「年間89対局68勝」
(5)通算勝率7割2分2厘
…ほか
年譜「 史上最強棋士」の歩み