孫子とクラウゼビッツ、コトラー、ポーターなど、
兵法の叡智と最新の経営戦略
を有機的に融合した、究極の兵法経営書!
「100年に一度の不況」も
戦略的思考の極意を使いこなせば克てる!
経営戦略の歴史をさかのぼると兵法(軍事の戦略)が基礎にあることがわかります。たとえば「孫子の兵法」がもっとも推奨している有名な「戦わずして勝つ」とは、「戦争をしないで領土を手に入れること」であり、現代経営戦略でいうところの「M&A(合併・買収)」や「アライアンス(業務提携)」に通じるのです。
本書は、2002年4月に東洋経済新報社より刊行された『図解 戦略経営に活かす兵法入門』を改訂・改題し、文庫化したものです。
目次
- まえがき
「孫氏の兵法」の構成
『孫子』と孫武
第一章 時代を超えて語り継がれる戦略 「孫子の兵法」
戦略1 兵法(軍事の戦略)は、経営の戦略 ■語り継がれた「孫子の名言」
兵法1 戦略は時代を超えて語り継がれるほど魅力的 ●経営に活かす「孫子の兵法」の基本
戦略2 企業は永遠に存続したい! ■中長期的な利益を稼ぐのが戦略の目的
兵法2 企業戦争はリーダー次第 ●競争では「道・天・地・将・法」を知る
戦略3 ビジネスチャンスを左右する経営姿勢 ■戦略選択の幅を広げ、適応力を高める
兵法3 行動指針のチェックポイント ●彼我の徹底分析なしでは勝てない
第二章 優勝劣敗の戦略・戦術
戦略4 ビジョンの明確化 ■はじめの一歩は勝つためのシナリオ作り
兵法4 戦略思考の重要性 ●勝利の見通しがあるかどうかが戦略会議のテーマ
戦略5 選択と集中 ■限られた経営資源で成果を上げる方法
兵法5 小が大に勝つ ●「集中・精鋭・奇襲」がポイント
戦略6 勝負は差別化で決まる ■顧客ロイヤリティのある企業・製品を目指せ!
兵法6 勝つは為すべきなり ●無敵の相手に勝利する戦略観
…ほか
第三章 勝利するためには何をすべきか
戦略11 経営戦略の体系 ■経営戦略を実行する「錦の御旗」が「経営理念」
兵法11 短期戦と長期戦 ●「速攻がよい、防衛ではダメ」が兵法の原則
戦略12 基本戦略の策定(一) ■ドメインを決めて自社が有利な領域で戦う
兵法12 中長期的な展望 ●戦いを目的化して敗れた上杉謙信
戦略13 基本戦略の策定(二) ■コア・コンピタンスを活かした戦略を展開する
兵法13 弱肉強食 ●徳川家康の人的資本増強策
…ほか
第四章 競争優位の戦略・兵法の定石
戦略18 競争要因 ■M・ポーターは業界内部を支配する要因を五つ指摘する
兵法18 戦略順位 ●知恵を用いた策略が最高の戦い方
戦略19 三大基本戦略 ■M・ポーターは三つから一つを選び経営資源を集中せよと説く
兵法19 兵力比別の戦法 ●競争の戦略と回避の戦略の違いをよく心得ておこう
戦略20 競合の技術 ■「ランチェスターの戦略」では順位により柔軟な戦略を薦める
兵法20 「合従」と「連衡」 ●ビジネスだけでなく外交政策や国内政治でも使われる常套手段
…ほか
第五章 競争回避の戦略・兵法の定石
戦略24 同業他社間のアライアンス(企業提携) ■同業者の強者同士で強者連合を作る時代
兵法24 「遠交近攻」の策 ●利害の及ばない遠方の国と手を結び、近接する国を攻める
戦略25 異業種間でSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)を導入 ■企業・組織の壁を超えて、その流れを管理する経営手法
兵法25 「呉越同舟」の策 ●共通の敵信長に対して同盟を組まなかった浅井長政の大失敗
戦略26 参入障壁を乗り越える ■新規参入に立ちはだかる壁「チャネル、技術、先行投資」
兵法26 障壁突破の策 ●敵を弱体化させるために、二国を戦わせて知らぬ顔の半兵衛を決め込む
…ほか
第六章 経営資源集中の戦略・兵法の定石
戦略29 経営資源の配分 ■PPMで事業構造を分析・把握し、投資配分を決める
兵法29 戦略観を養う出発点 ●地形(市場環境)に応じて六種類の参入方法がある
戦略30 「事業・資産・人材」のリストラ ■経営効率を追求し、少ない経営資源で成果を最大化するのが狙い
兵法30 組織の六大敗因 ●敗北はいずれも将たる者の責任である
戦略31 アウトソーシング(外部調達) ■競争力にならない業務を専門業者に委託する
兵法31 人材の活用法 ●人材に機能を分担させて統率する家康流はマネジメントの要諦
…ほか
第七章 経営管理と統治の戦略・兵法の定石
戦略34 組織の機能と効用(一) ■「企業は永遠に存続するもの」と考えて、人・会社は組織を作りたがる
兵法34 小組織対大組織 ●小組織の利点を知れば大組織を活性化できる
戦略35 組織の機能と効用(二) ■多くの人材が共通目的に向かい行動するには「錦の御旗」がいる
兵法35 大義名分 ●リーダーは利害の対立を超えて、味方と敵を動かすものを知る
戦略36 組織の構成(一) ■「命令系統の一元化」が階層組織の原則である
兵法36 指揮権 ●大局は君主が指揮し、小局は部下が指揮する
…ほか
あとがき