原発の恐ろしさは、大事故だけじゃない!
「直ちに影響はありません」と、御用学者は言う。
でも、その先にはこの「現実」が待っている――。
電力会社や国を震撼させた伝説のルポルタージュ復刊!
「若狭湾に面した福井県の嶺南地方ではここ数年来、甲状腺ガンや白血病にかかる人が非常に目につくんです」。情報提供者Mさんからもたらされた不可解な噂。謎を追うため、若きジャーナリストが福井県の原発銀座へ飛んだ……。1990年代、「週刊プレイボーイ」誌上で連載され、大反響を呼んだ問題作がついに復刊!原発周辺に悪性リンパ腫が多発しているという噂は本当だったのか?原発と発ガンの関係に警鐘を鳴らした唯一無二、伝説のルポルタージュ。広瀬隆氏が解説で絶賛!!原発で恐ろしいのは事故だけじゃない!
本書は1997年4月に技術と人間より刊行された同名書籍を大幅改訂・増補したものです。
目次
- プロローグ 「ガン患者激増」の噂を追って
ある“スクープ”情報
ルポルタージュの「大原則」
調査区域は原発の半径一〇キロ圏内
第2章 「あなたの家にガンの人はいますか?」
憂鬱な調査項目
地域ぐるみの取材拒否
アンケート回収率六〇・〇三%
第3章 「風下地域で患者集中発生」という事実
「噂の調査」結果報告
調査結果は……
問題は悪性リンパ腫
悪性リンパ腫「衝撃」のデータ
「因果関係の推定は可能」
第4章 「福井県庁の皆さん、疫学調査をやってください」
地元行政の「嫌がらせ」
“反撃”始まる
報告書への「コメントにならない“コメント”」
福井県当局の“お手つき”
取材班VS福井県庁
…ほか
終章 そして福井県の未来は……
放射線に対する感受性は若年層ほど高い
科技庁の“宿題”
「原発があるための書かれ損……」
無責任な福井県庁
実は科技庁は“非科学”技術庁だった……
…ほか
あとがきにかえて
付録1
付録2
文庫版のためのあとがき
解説 広瀬隆