異世界居酒屋
「のぶ」五杯目
仕事のこと、家族のこと、恋のこと、
小さいけれど大きな一歩を踏み出す物語
古都(アイテーリア)の季節は、夏から秋へと移ろいつつあった。居酒屋「のぶ」はいつものように営業を続けており、日々の仕事に疲れた人々は、美味い酒と料理で元気を取り戻している。そんな「のぶ」へやってきた一人の男。彼は大事な晩餐会を前にしてスランプに陥っている〈四翼の獅子〉亭の副料理長だった……。仕事が人と人を結び、疲れた身体を一杯の酒が癒やしていく。読めばお腹が空いてくる異世界グルメファンタジー、第5弾。
目次
- 仕事帰りのヤキトリ
ある宿屋店員の初恋
若旦那と馬鈴薯(カルトッフェル)
味は見かけによらず
新メニュー 真夜中のたぬきむすび
ハンスと豆の木
翼の折れた獅子(しし)
竹輪(ちくわ)の磯辺揚げ
双子のお披露目
新メニュー 独り晩酌
ロンバウトの近視
ゲーアノートのお仕事
無味の味
秋の海鮮親子丼
信じるべきもの
新人衛兵とまかないチャーハン
晩餐会(ばんさんかい)前夜
〈晩餐会〉
【閑話】火噴き山と〈神の舌〉
大市
ハンスとすだち
たらこ茶漬け