『木更津キャッツアイ』『花より男子』
『野ブタ。をプロデュース』『流星の絆』……。
ドラマの常識を変えたジャニーズ主演作25本
役者別“見どころ”徹底解析
この10年でTVドラマは著しく進化した。その原動力となったのがジャニーズ系作品です。特に嵐をはじめNEWS、KAT-TUNのメンバーらの役者としての成長ぶりは著しく、多くの実験的ドラマを成功させてきました。『木更津キャッツアイ』『花より男子』『野ブタ。をプロデュース』『流星の絆』ほか、ポストSMAP世代作品をメインに人気作25本をピックアップ。その見所&評価を新進気鋭のドラマ評論家・成馬零一氏が語り尽くします。ジャニーズファンはもちろん、一般読者にとっても目からウロコの解説満載!
目次
- はじめに
凡 例
第1章 嵐を見なくちゃ始まらない![全14作]
イントロダクション 嵐はなぜ、こんなにも無敵なのか?
1. 二宮和也 文芸、アニメ、なんでも来い! 全方位型の天才登場
「現実」は二宮君と同じくらい複雑だ/「考えないこと」のプロフェッショナル/本質を身体で捕まえる
『ハンドク!!!』(2001年) 明るく、残酷で、悲しいこの人生の抑揚
『優しい時間』(2005年) 文学とは、二宮君が見せる葛藤のことである
『山田太郎ものがたり』(2007年) 正しいHappinessの広げ方
『流星の絆』(2008年) テレビドラマ界の最高表現がニノに結集!
2. 櫻井 翔 デジタル世代を先取り! キャラクタードラマ界一の名優
キャラクター芝居をさせたら、櫻井君の右に出るものはいない!/「オレってこういうキャラだから」の時代
『木更津キャッツアイ』(2002年) 普通男子の輝きを、市営球場で捕まえて!
『山田太郎ものがたり』(2007年) 全出演者の中で、翔君だけがひとり違う
『ザ・クイズショウ』(2009年) 桜井翔は人気クイズ番組の夢を見るか?
『特上カバチ!!』(2010年) あなたは/私たちは本当に弱者の味方なの?
3. 松本 潤 負けず嫌いで仕切り屋で、末っ子王子は魅力爆発!
汗と泥の似合う王子なんて、ほかにいる?/危なっかしさこそ末っ子の条件!/武装を解いて、深呼吸。
『きみはペット』(2003年) 『ロンバケ』はここまで進化した! ポスト恋愛ドラマ
『花より男子』(2005年) 「戦う王子VS.戦うシンデレラ」が伝えたものは?
『バンビ~ノ!』(2007年) 負けず嫌いが世界を救う! 男臭くてかわいい「赤ちゃん」
『花より男子2(リターンズ)』(2007年) 誰も悪人じゃないのに。道明寺のハートエイク
4. 大野 智 遅咲きゆえに要注目! この時代を捕らえるコクと深み
いい意味で「ミュージシャン俳優」的/ふくれっつらのモンスター/挑発に乗って、笑う準備をしていたのは誰だ?
『歌のおにいさん』(2009年) 大人も子どももおにいさんも。この時代が居場所なんだ
5. 相葉雅紀 ピュア演技に胸キュン! パーフェクトな善玉役者
「弱さ」を持ってない男の子なんて、時代遅れ!/ 90年代に絶滅したヒロイン役が、相葉ちゃんで復活?
『マイガール』(2009年) 相葉ちゃん+「はじめてのおつかい」= 男らしさ!?
第2章 嵐の前にも後にも! 名優たちの群雄割拠[全11作]
イントロダクション 各局とも、躍進期にはいつもジャニーズがいた!
1. 木村拓哉 復活を待つ! 90年代最大の功績者の哀しみ
いま、「高視聴率」はTVドラマを救わない/「復活の日」にはならなかった『月の恋人』
『ロングバケーション』(1996年) 君が美しければ美しいほど
『HERO』(2001年) 木村君にとって、禁断の果実は美味しかったか?
『華麗なる一族』(2007年) 「キムタク」という戦いのドキュメント
2. 長瀬智也 ゼロ年代を切り開いた、器のでかい野蛮なタイガー!
男子、男子、レボリューション!/優しくって少し……いや、超バカ!/暴力と成熟
『池袋ウエストゲートパーク』(2000年) 堤+クドカン伝説はここから始まった!
『タイガー&ドラゴン』(2005年) なんでもないようなことって、幸せなんだよマジで!
『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(2006年) すべての大人は、自分の思春期に片思いする♡
3. 亀梨和也 悩める「ポスト木村君」は、この時代を映し出す!
「心の底で笑ってない? このブサイク野郎が、とか」/亀梨君は木村拓哉を超えられるか?
『野ブタ。をプロデュース』(2005年) 「僕は、救われたかったんだ」
『たったひとつの恋』(2006年) あえて断言! 北川悦吏子の最高傑作
『ヤマトナデシコ七変化♥』(2010年) この星で一番最後のイケメンストーリー
4. 錦戸 亮 モノトーンの寡黙さ。真実を背負いつづける10年代の新星!
バラエティとドラマの「バイリンガル」/そして僕は、モノクロームに暮れる
『ラスト・フレンズ』(2008年) 取り戻せない大切な人がいるすべての人へ
『流星の絆』(2008年) 演じるとはどういうことか
あとがき
引用文献/主要参考文献