人はなぜバブルと恐慌を繰り返すのか。
今はまさに財政恐慌の渦中だ!
今巻き起こる経済問題は
すべて過去と繋がっている
1971年のニクソン・ショック、87年のブラック・マンデー、99年のITバブル、2008年のリーマン・ショック、そして11年、ギリシャの債務問題からはじまった欧州危機――「100年に一度の衝撃」といわれる金融恐慌が、なぜ数年に一度起こるようになったのか?本書は1900年代の英国恐慌から今までに起こった恐慌の歴史を振り返りながら、恐慌が起こるメカニズムを解明し、今後の世界経済の行く末をわかりやすく解説します。「経済の世界は謎解きの世界」が持論の人気エコノミスト・浜矩子氏の著作です。
目次
- はじめに 「21世紀型恐慌」時代の到来
第1章 なぜ「恐慌」は起きるのか?
東日本大震災からの「復興」
「リーマン・ショック前に戻れ」の大きな誤り
恐慌とは行きすぎた経済の健全化へ向けた動き
…ほか
第2章 資本主義経済とともに誕生した「悪魔」 ~10年に一度の周期で繰り返される金融恐慌~
囁かれる「金本位制回帰」論
「金本位制」に復帰した英国で起きた恐慌
新興国投資バブルが破裂した「1825年恐慌」
…ほか
第3章 ドル支配~「歪んだ経済」の内幕 ~米国の虚勢に世界各国が翻弄されたインフレ時代~
ブレトンウッズ体制=ドル基軸制の成立
インフレ加速で対ドル価値は終戦を境に急減した
米国にとって“よいこと”は世界にとって“よいこと”
…ほか
第4章 グローバル化する世界経済に潜む「負の連鎖」 ~21世紀型恐慌が内包していた日本のバブル崩壊~
西ドイツとの経済的対立が生んだブラック・マンデー
米国の圧力で決まった日本の金融自由化
見境なく貸し出し拡大路線を突き進む銀行
…ほか
第5章 世界同時不況をもたらした「リーマン恐慌」の正体 ~ドル破綻の最終局面として世界に拡散した金融危機~
100年に一度の経済危機
ショックの震源地はフランスだった
米国を凌駕する高レバレッジ投資に明け暮れた欧州
…ほか
第6章 バブルなき「財政恐慌」へと向かう欧米諸国 ~国家破綻の連鎖という危機へのカウントダウン~
大規模な景気刺激策に疲弊する国家財政
欧州危機は「財政恐慌」に発展しかねない
社会インフラが機能せず、暴動が相次ぐ事態に
…ほか
第7章 恐慌後の「新グローバル経済」における日本の役割 ~基軸通貨のない新たな経済システムへの移行~
「第3の開国」に踏み切ろうとする日本
恐慌から鎖国化への動き
環太平洋経済圏を独占しようという発想
…ほか
おわりに