無意識の抑圧と心の深層に迫る
人はみな、自分の思っているような自分ではない。
他人もまた、自分が思っているような人間ではない。
心に“生きにくさ”を抱える現代人、必読!
なぜ、「真面目な人」「いい人」と評判だった青年が凶悪な殺人事件を起こしたのか? なぜ、「勤勉で頭のよい人」がカルト集団の信者や過激なテロリストとなるのか?――本書では、実際に起こった犯罪事件の考察を通して人間の「無意識」の領域に迫り、独自の視点で現代人の心の問題を解き明かします。加藤諦三教授(現・名誉教授)が早稲田大学で行なった人気講義「心理学」「精神分析論」の内容を抜粋して文庫化。
この商品は、2007年10月09日に発売された、宝島社新書『ココロが壊れないための「精神分析論」』を改訂・改題して文庫化したものです。
目次
- はじめに――問題意識
第一章 すべての行動には動機がある
「おはよう」というあいさつのさまざまな動機
親孝行もマザコンも「行動」は同じ
自己実現的献身と自己犠牲的献身
…ほか
第二章 「真面目な子」がなぜ犯罪を起こすのか
「模範的な生徒」による殺人事件
「明るさ」は不安や怒りから逃避する手段となる
自殺する子どもの心の中とは
…ほか
第三章 「おとなしい人」がなぜ人を殺すのか
長崎男児誘拐殺人事件
識者が述べる見解にも問題がある
「服従」と「敵意」は結びついている
…ほか
第四章 擬似家族の心理学
喧嘩をしない家族
親しさの要素とは何か
家族の「仲のよさ」とはどんなものか
…ほか
第五章 擬似成長した「よい子な大人」たち
「よい子な大人」――真面目な警察官が強盗に及ぶ
母なるものへの欲求が満たされないままの「擬似成長」
幼児的願望を抑圧してきた警察官
…ほか
第六章 「欠乏動機と成長動機」――人間の行動と心
欠乏動機と成長動機
愛情飢餓感が欠乏動機につながる
基本的欲求が満たされているということの重要性
…ほか
あとがき