江戸城を超える高さの花火を打ち上げたい!
花火のためならどんな悪事も厭わない男の一代記。
NHK「週刊ブックレビュー」「週刊朝日」で紹介された
幻の大傑作、待望の文庫化!
老舗花火屋・鍵屋の手代として働く新八は、一世一代の悪計によって、犠牲は大きかったが、二大花火屋の一角、三代目玉屋市郎兵衛の座を手に入れる。独り立ちした市郎兵衛は、理想の花火創りに邁進する。より綺麗な色と形の、より響く音の、そして江戸城をも超える高さの打ち上げ花火をあげるために男は、殺人、放け火、店の乗っ取りと、悪の限りを尽くす。小嵐九八郎の大傑作『悪たれの華』がついに文庫化!
※本作品は2006年7月に講談社より刊行された『悪たれの華』を再編集・改題して刊行しました。