小説家の姉に「一緒に住んでほしい」と
頼まれた大学生の弟。
何も起こらない日々に、
同居の真意について考え始める。
姉さんは、何か
隠しているんじゃないか??
「東京バンドワゴン」シリーズの著者が贈る
心温まる家族と友情の物語
五歳上の姉が「小説家」になったのは、僕が中学生の頃だった。ごく普通の家族の、ごく普通の姉弟だと思っていた自分たちに降ってわいた、思いがけない出来事。姉は一人暮らしを始め、次第に家族から離れていったが、三年後に帰ってきたときに弟の僕にこんなお願いをする。「私のマンションで、一緒に住んでくれないかな」。表向きでは、人恋しさや防犯のためという理由を受け入れ、同居を始めた僕。しかしその裏には姉の「秘密」があると感じていた……。小路幸也が贈る、心温まる家族と、そして姉弟の物語。
※この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物・団体等とは一切関係ありません。