国宝・金堂の平成大修理で明かされた真実!
十年もの年月をかけた「唐招提寺平成の大修理」では、とんでもない古刹の「謎」が次々と生じ、その謎解きに挑むものでもあった。「天平の甍」と呼び親しまれた鬼瓦代わりの「鴟尾(しび)」には謎の穴があいており、なんと創建当時の金堂は現在の屋根よりも2.5メートルも低かったというのである。では、いつ誰が何のために屋根を高くしたのか?官寺ではなく私寺であった唐招提寺を堂々とした大寺にすべく支援を送ったのは誰なのか?古寺・歴史ファンなら誰もが魅かれる唐招提寺の「謎と歴史」を堪能できる決定版です。
*本書は、一部の記事を除き、TBS唐招提寺2010プロジェクト制作の番組内容をそのまま収録し、掲載の写真は放送された番組のものを使用しています
*本書記事中の番組出演者の肩書きは、放送当時のものです
*本書掲載の写真の一部には、唐招提寺改修前に撮影されたものがあります
目次
- プロローグ 千二百五十年の時を超え煌めく「天平の甍」
世界遺産――唐招提寺
開祖鑑真の精神が息づく清廉の伽藍と至高の名宝。――
第一章 めくるめく寺宝の世界
天平のいぶきを伝える国宝、重要文化財の数々――
三尊はどこから来たのか
十年の歳月をかけ、よみがえった「天平の甍」
国宝――唐招提寺 金堂
学術的に見た金堂大修理の意義――
第二章 天平の甍に秘められた謎を解く
金堂の全面解体で明かされた真実――
唐招提寺金堂創建に関わる謎
鴟尾や四万枚以上の瓦が語る建物の構造とは
屋根のシルエットは創建当初と異なるのか?
…ほか
第三章 天平の金堂を修復した平成の宮大工たちの挑戦
金堂の修復ドキュメント 平成の宮大工の技
第四章 知られざる鑑真和上伝 その意外な素顔――
在唐期の鑑真
来日への苦悩
戒律師としての鑑真
…ほか
第五章 天平を駆け抜けた碧い目の僧――如宝
聖武、鑑真亡きあと唐招提寺に金堂を建て、空海とも交遊のあった謎の僧の生涯――
来日した碧い目の青年僧
関東にも戒壇の設立
如宝に託された使命とは?
…ほか
主な年中行事
唐招提寺への案内