日本を弱らせる「負のサイクル」
政治不信→ニューリーダーに期待
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「話が違う!」
日本の戦後政治史上、最大のトリックスター「橋下徹」。維新旋風が既存政党にとっての「脅威」となるなかで、誰もがその政治的本質を把握できないでいる。政治心理学の第一人者である著者が、歴史上「独裁者」と呼ばれたカエサル、ナポレオン、ヒトラーがそれぞれ用いた「宣伝の技術」と橋下氏のそれを詳細に比較検証。その類似性を指摘するとともに、日本において「橋下独裁政権」が成立しない理由を明快に論じる。
目次
- まえがき
第1章 「強いリーダー」を求める社会的背景
将来に不安を感じるのは「人間の特権」
「不満」と「不安」が強いリーダーを求める
「内憂外患」だったカエサルの時代
「閥族派」と「民衆派」の深刻な対立
ナポレオンとフランス革命の混乱
…ほか
第2章 世論を味方につける方法
「既存のシステム」と対峙した政治家たち
「世論の支持」とその2つの意味
「考える自由」を放棄するメカニズム
リーダーに不可欠な「宣伝の技術」
ヒトラーの「最強プロパガンダ」
…ほか
第3章 「宣伝家」と「政治家」
政治家の力量を示す「宣伝力」
新聞の効果を利用したナポレオン
ヒトラーの「新聞読者」に対する分析
思想伝達方法としてのラジオ
テレビメディアを知り尽くした男
…ほか
第4章 「橋下政治」は3年で終わるのか
「非業の死」を遂げた現代の独裁者たち
ナポレオンはなぜ「世論」に見放されたか
「あっという間に破滅」という独裁体制の恐ろしさ
「時代の気分」を作り出すメディア報道
2009年「政権交代選挙」の報道量
…ほか
あとがき