零戦誕生から飛び続けた
最後のパイロット97歳
「伝説の零戦搭乗員、原田要氏。
命を懸けて
大空を駆った男だからこそ、
平和を語る言葉に重みがある」
『永遠の0』百田尚樹推薦
2013年12月21日公開の映画『永遠の0』で話題が高まるゼロ戦こと零式艦上戦闘機。本書は、零戦パイロット・原田要氏による渾身のノンフィクションです。空母四隻が沈み、日本の敗北の契機となるミッドウェー海戦で、原田氏の乗る零戦は、艦隊上空を飛んでいた最後の一機でした。日中戦争以来のベテラン空母搭乗員としては、最後の生き残りとも言われる原田氏。老兵が語る鬼気迫る戦場の記憶と、97歳のいま、去来する生への思いとは――。
原田 要(はらだ かなめ) プロフィール
大正5年、長野県生まれ。昭和8年、海軍に志願。昭和10年、横須賀航空隊、航空兵器術練習生を経て空母「鳳翔」乗り組み。昭和12年、操縦練習生35期を首席で卒業。同年、第一二海軍航空隊として中国に進出。昭和16年、空母「蒼龍」に乗り組み、真珠湾作戦では上空直掩隊として艦隊上空を警戒。セイロン島空襲で初撃墜を記録。昭和17年、ミッドウェー海戦に参加。くしくも、空母「飛龍」から発艦した最後の零戦となる。ガダルカナル島の戦いで空戦の末に不時着、重傷を負うが九死に一生を得て帰国。以後は教官職で終戦を迎える。最終階級は中尉。総撃墜機数は協同撃墜を含め19機。終戦後、職を転々としたあと幼稚園の経営を開始する。2015年現在も子どもたちとふれあい、平和を説く日々を送る。著書に『零戦(ゼロファイター)老兵の回想』(桜の花出版)、『戦争の嘆き 戦争を止められるのは若者とお母さんです』(イッツ・エンタープライズ)などがある。