目次
- 『海辺のカフカ』を旅する
「世界でいちばんタフな15歳」になるために、「予言」を埋め込まれた少年は家を出た
村上春樹のことば
「街」を「青春」を
「恋」を「人生」を村上春樹はこう描く
【鼎談】 主人公がいつも『僕』なワケ
僕という呼び方の秘密を探る
小説の主人公は1人称か3人称(彼、彼女、もしかは人名)がふつう(「君」「あなた」という2人称で物語を進める手法もあることはある)だが、春樹作品の主人公はほとんどが「僕」という1人称だ(『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の「ハードボイルド・ワンダーランド」では「私」という呼称が使われているが)。なぜ、「彼」ではだめなのか。「僕」でなくてはならない理由があるのだろうか。「『僕』でないと女の子にもてない」とまで男性読者に思わせてしまうほど、「僕」が魅力的なのはなぜなのだろうか。春樹作品の「僕」の秘密に迫る。
物語の森に分け入る
村上春樹作品解説
長編小説
「風の歌を聞け」/「1973年のピンボール」/
「羊をめぐる冒険」/
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」/
「ノルウェイの森」/「ダンス・ダンス・ダンス」/
「国境の南、太陽の西」/「ねじまき鳥クロニクル」/
「スプートニクの恋人」/「海辺のカフカ」
短編小説
「中国行きのスロウ・ボート」/「カンガルー日和」/
「螢・納屋を焼く・その他の短編」/
「回転木馬のデッド・ヒート」/
「パン屋再襲撃」/「TVピープル」/
「レキシントンの幽霊」/「神の子どもたちはみな踊る」
エッセイ
「村上朝日堂」/「遠い太鼓」/「やがて哀しき外国語」/
「ポートレイト・イン・ジャズ」/
「ポートレイト・イン・ジャズ2」
翻訳小説
「ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック」/
「心臓を貫かれて」/
「月曜は最悪だとみんなは言うけれど」/
「Carver's Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選」/
「最後の瞬間のすごく大きな変化」/
「誕生日の子どもたち」
不思議な多面体ハルキワールドにハマッてしまった僕たち・私たち
20のキーワードを切り口にして春樹文学の全体像に迫る
料理
胃袋ではなく、違う何かを満たそうとする
「僕」の食事風景
音楽
文章を武器に闘う作家が登場させる
自己治癒と自己定義のための音楽たち
セックス
自分から行動を起こす女性たちに、
すごく新鮮だった「僕」の相手たち
手紙
「書いて、受け取る」という手紙のスタイルが、
双方の救いになることもある
スポーツ
思索を深めるための基礎体力づくりを
孤独な自己完結型スポーツで養う
恋愛
居場所を見失いかけたとき、読めば甦るあの頃。
行間から時代を超えた「声」が聞こえてくる
歌
「倍音」ならぬ「倍文字」が聞こえてくる。
春樹作品に励まされて今日も歌う
羊
20年ぶりの極私的『羊をめぐる冒険』
凡庸に生きることも悪いことじゃない
旅
何か大事なものを失った旅
何か新しいものをもたらしてくれた旅
ファッション
「僕」になれば女の子にもてる、という大錯覚。
ハルキフリークは一種の“流行り病”なのか
道連れ
作品に道連れにされ、作品を道連れにする。
その楽しみは何ものにも代えがたい
世界
誇大な幻想と虚構の世界はいつも目の前にある。
注意深く自分の・自分という「影」を守ろう
…場所・友人・本・酒・病気・風景・からだ
クロニクル・ハルキワールド
時代の喧騒から遠く離れて、消えゆく声に耳を澄ます
それが春樹文学だ
村上春樹の歩みと世の中のクロニクル(編年史)を
比較し、春樹文学と時代との関係を探る。
もっと専門的にハルキワールドにはまりたい人へ
研究所・特集雑誌ガイド
語り合う魅力に満ちたハルキファンサイト