「君、弱い事を言ってはいけない。
僕も弱い男だが、弱いなりに
死ぬまでやるのである」
苦悩からたどる漱石の人生の物語
不遇の幼少期
英国留学の憂鬱
小説家への覚悟
死生観を変えた大病
漱石作品のテーマは冒頭に宿る
「吾輩は猫である」「坊っちゃん」
「硝子戸の中」「こころ」ほか
孤独の果てに優しさが湧く!
漱石のくらし
則天去私と自己本位
生涯の親友、正岡子規
明治の文豪、夏目漱石は大政奉還の年に生まれ、日清・日露戦争という2つの戦争を経験し、変貌する日本の姿を目の当たりにした。没後100年を迎える2016年、漱石の残した言葉が今なお私たちの「こころ」に響き続けるのは、急激に変化する世相のなか漱石が果敢に未来を志向し続け、困難を乗り越えてきたからに他ならない。本誌は、漱石が描き続けた孤独、個人主義、近代への批判の眼差しを読み解き、珠玉の言葉を紹介する。悩み多き現代人に伝えたい漱石の名言、金言!
※夏目漱石の作品・評論・書簡等からの引用に際しては、原文の主旨を損なわない範囲で抜粋・中略等を行っています。また、旧仮名づかいは現代仮名づかいに改め、旧漢字をそのまま掲載した箇所や読みにくい言葉・人名などには適宜ルビをふっています。加えて、読みやすさを考慮し、原文の主旨を変えずに、旧漢字を新字体や平仮名に置き換えたり、送り仮名や句読点を整理したりしている場合があります。