「たとえ一年しかおられへんでも、
あなたがええんです――」
母と娘がふたりで暮らす家に転がり込んできた男は、
オカンの最期の日々を幸せにする運命の人だった……。
母子二人と犬一匹の平和な家に、ある晩べろんべろんに酔っぱらった母が、男を拾ってきた。いまどきリーゼントに赤シャツ……怪しい出で立ちのこの研二という男と、母は再婚するという。とまどう娘・月子だったが、次々と巻き起こる事件(とドンチャン騒ぎ)で、誠実に母を想う研二の姿を目にし、しだいに二人を祝福し始める。しかし、その幸せには期限があった――。日本ラブストーリー大賞ニフティ/ココログ賞受賞。涙の感動作!
※この作品はフィクションです。実在する人物、団体等とは一切関係ありません。
目次
- 第一章 おみやげ
第二章 ウニ女
第三章 お好み
第四章 福耳
第五章 月見酒
第六章 つるかめ
第七章 引き潮
第八章 桜色