小説家と脳科学者が涙について考えた
重松 清×茂木健一郎
「さんずいに戻る」と書く
「涙」の意味を知ってますか?
「なぜ人は涙を流すのだろう」「涙を流すとき、脳内では何が起こっているんだろう」。このテーマのもとに、小説家・重松 清と脳科学者・茂木健一郎の対話は2006年冬から2008年冬まで断続的に2年間続いた。それから6年近く経ったいま、世界は、日本は、新たな「涙の理由」で満ちている。そして、3.11東日本大震災で流された様々な涙。いまだからこそ、もう一度見つめ直したい、自分の涙の本当の深さを。
重松 清(しげまつ きよし) プロフィール
作家
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライターに。1991年『ビフォア・ラン』で作家デビュー。1999年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、『エイジ』で第12回山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で第124回直木賞受賞。2010年『十字架』で第44回吉川英治文学賞受賞。著書は『疾走』『とんび』『流星ワゴン』『その日のまえに』『きみの友だち』『カシオペアの丘で』『青い鳥』『赤ヘル1975』など多数。
茂木 健一郎(もぎ けんいちろう) プロフィール
1962年、東京都生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。脳科学者。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究する傍ら、文芸評論、美術評論にも取り組む。2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。『ストレスフリーな脳になる! 茂木式ごきげん脳活ルーティン』(学研プラス)、『緊張を味方につける脳科学』(河出書房新社)、『脳がめざめる「教養」』(日本実業出版社)など著書多数。