「招き鳥」とは「囮(おとり)」の語源。
「招き鳥同心」とは囮捜査専門の
火盗改(かとうあらため)同心である。
悪人を教唆、扇動し、凶行に踏み込ませる――
犯罪を無理やり引き起こす禁じ手、
招き鳥同心の暗躍を描く。
書き下ろし!
町奉行の座を狙う火盗改役頭の太田運八郎は、強盗を次々に捕縛し名を上げるために、「招き鳥同心」を置くことを決めた。「招き鳥」とは「囮」の語源であり、招き鳥同心は、悪人を教唆、扇動し、凶行に至らせる、囮捜査で犯罪を無理やり引き起こす禁じ手。選ばれたのは別派心影流の使い手、詠月兼四郎。嫁が労咳で治療費がかさみ、功に焦る兼四郎は、剣呑もかえりみず、あえて火中の栗を拾った。書き下ろし小説。
※本作品は宝島社文庫のために書き下ろされました。