今は、第一次世界大戦前夜に似ている!現代史の始まり
ポピュリズムの台頭、グローバリズムの限界
吹き荒れるナショナリズム
死者1600万人! 未曾有の大戦の始まりから終わりまで
第一次世界大戦を読み解く10本
◆第一次世界大戦とは何だったのか? 飯倉 章(城西国際大学教授)
◆第一次世界大戦の原因を読み解く 小野塚知二(東京大学教授)
◆日本にとっての第一次世界大戦 山室信一(京都大学名誉教授)
◆シギント(電子諜報)の誕生と発達 時任兼作(ジャーナリスト)
◆ポピュリズムとナショナリズム 五味洋治(東京新聞編集委員)
◆グローバリゼーションの失敗 柴山桂太(京都大学大学院准教授)
◆第一次世界大戦が心理学者に与えた影響 大芦 治(千葉大学教授)
◆女性の社会進出と第一次世界大戦 林田敏子(摂南大学教授)
◆第一次世界大戦での兵器の変遷
◆ロシア革命という衝撃(編集部)
日本人の多くは第二次世界大戦には興味があっても、第一次世界大戦にはほとんど興味を示さない。しかし現在、ポピュリズムの台頭、グローバリズムの限界、ナショナリズムの隆盛と、世界は第一次世界大戦の前夜に非常に似てきた。今こそ日本人も、第一次世界大戦を再検証すべき時が来ているのではないか。第一次世界大戦では、少なくとも軍関係で850万人、さらに民間人を加えると1600万人が亡くなったと言われる。本書では、ここ数年の最先端の研究を踏まえて、各専門家に第一次世界大戦を分析してもらった。世界が変わりつつある今こそ知っておきたい現代史である。
飯倉 章(いいくら あきら) プロフィール
1956年生まれ。城西国際大学国際人文学部および大学院人文科学研究科教授。慶應義塾大学経済学部卒業、国際関係学修士(国際大学)、学術博士(聖学院大学)。専門は国際関係史。第一次世界大戦、日露戦争、黄禍論、諷刺画などを研究。著書に『第一次世界大戦史』(中公新書)、『1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか』(文春新書)、『黄禍論と日本人』(中公新書)など。
山室 信一(やまむろ しんいち) プロフィール
1951年、熊本県生まれ。京都大学名誉教授。専門は近代日本政治史、近代法政思想連鎖史。1975年、東京大学法学部卒業。衆議院法制局参事、京都大学人文科学研究所助教授を経て、同教授。2013年から2015年まで同所長。2017年定年退任。東アジア歴史研究フォーラム委員、中華民国日本学叢書海外編輯委員などを務める。主な著書、編著に『増補版・キメラ─満州国の肖像』(中公新書、2004年)、『憲法9条の思想水脈』(朝日選書、2007年)、『現代の起点 第一次世界大戦1~4』(岩波書店、2014年)など多数。
小野塚 知二(おのづか ともじ) プロフィール
1957年生まれ。81年、東京大学経済学部経済学科卒業。87年、東京大学大学院経済学研究科第2種博士課程単位取得退学。その後、横浜市立大学商学部助教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て教授に。博士(経済学)。現在、政治経済学・経済史学会理事、東京大学アジア研究図書館長、東京大学日本料理グローバル研究連携ユニット代表を務める。主な著書に、『軍拡と武器移転の世界史―兵器はなぜ容易に広まったのか』(横井勝彦と共編著、日本経済評論社、2012年)、『第一次世界大戦開戦原因の再検討―国際分業と民衆心理』(編著、岩波書店、2014年)、『経済史:いまを知り、未来を生きるために』(有斐閣、2018年)など。
柴山 桂太(しばやま けいた) プロフィール
1974年東京都生まれ。京都大学経済学部卒業。京都大学人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。滋賀大学経済学部准教授などを経て、現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は経済思想。主な著書に『静かなる大恐慌』(集英社新書、2012年)、共著に『グローバル恐慌の真相』『グローバリズム その先の悲劇に備えよ』(ともに集英社新書、2017年)など。