仙台の海辺で、
クセあり猫が集まる。
不思議なカフェ、やってます。
東京での生活に疲れ果てて実家に戻った
ニート女子・美琴は、
ひょんなことから、
「保護猫茶房・猫又」でアルバイトをすることに。
不思議な猫との物語、開幕!
猫の幸せのため、ニート女子、がんばります!
次の日の午後、猫又をまた訪ねると、すでに悠太くんは来店していた。
悠太くんがポン太の顎を優しく撫で始める。子供が動物を触る時にありがちな、乱雑さやたどたどしさは見受けられない。猫の扱いをわかっている人の撫で方だった。
『子供だけど、こいつの触り方はそんなに嫌じゃないんだ。猫と暮らしてるんじゃないかな?』
気持ちよさそうに目を閉じて、撫でられ続けているポン太がそう言った。
「悠太くん、猫飼ってるの?」
私がそう尋ねると、彼は相変わらずポン太を愛でながら答えた。
「昔飼ってたよ。ポン太と似たような模様のトラ猫」
「昔?」
「湊上に引っ越す前に死んじゃったんだ」(本文より)
海辺のカフェには 不思議な猫がいる!
東京での生活に疲れ果て、仙台近くの港町の実家でニート生活を送っていた美琴。ある日、野良猫を助けた美琴は、商店街の一角にある「保護猫茶房・猫又」を訪れる。美琴を出迎えたのは、青年店主・透真と、オッドアイの白猫・銀之助。野良になった猫たちが暮らすこのカフェには、なにやら人には言えない事情があるようで。しかも、美琴はずっと隠していたある秘密を見抜かれアルバイトとして働くことに! 一癖も二癖もある保護猫たちと、様々な事情を抱えたお客様。第二のしあわせな“ニャン生”のため、本日も「保護猫茶房・猫又」開店です!