『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家の最新作
これは本の形をした〈秘密の鍵〉だ。
この鍵で謎解き(ミステリー)の扉を開ければ、
誰も見たことがない神秘(ミステリー)が待っている。
――北山猛邦(作家)
不可思議な事件に遭遇した建築史学者は、
その謎を解明することで
歴史的建造物「世界七不思議」と
日本に現存する「七つの景観」との
関係に迫っていく。
不結論馬(ふゆいろんま)は大学院で建築史を研究している学生である。
論馬は高校時代に義兄の秀一(しゅういち)と共に旅先で不可思議な事件に遭遇する。それから九年経った今、論馬を訪ねてきた女性歴史学者、由布院蘆花(ゆふいんろか)との出会いをきっかけに、再び奇妙な事件に巻き込まれていく。
鍾乳洞内で発見された首無し死体、新雪に覆われて密室状態になったログハウス内での大量殺人、誰もいない場所での謎の発火。それらの事件に向き合うことで、「世界七不思議」という歴史的建造物の謎を解明することとなる。
★「世界七不思議」とは古代世界の建造物の中でも壮麗で注目される七つの景観のことで、一般的には、ギザの大ピラミッド、バビロンの空中庭園、エフェソスのアルテミス神殿、オリンピアのゼウス像、ハリカルナッソスのマウソロス霊廟、ロードス島の巨像、アレキサンドリアの大灯台の七つを指す。