千年探偵ロマネスク
大正怪奇事件帖
その探偵、
不老の少女
「――さあ、
知識の糸を紡ぎましょう」
人魚の伝説と三十二年前の
集団失踪事件。謎が渦巻く
孤島で起きる連続殺人事件に
挑む、怪奇ミステリー!
時は、大正8年。 秦野(じんの)財閥の
四男・孝四郎(こうしろう)は、父の命令で
あるものを得るため、謎の少女・
白比丘尼(しらびくに)と共に、孤島で
行われるオークションに参加することとなる。
〈千年探偵〉と呼ばれる彼女は白い髪に
葡萄茶式部(えびちゃしきぶ)姿で、
自らを「人魚の肉を食べた不老の身」と言い、
童女のようなあどけなさと老練な賢者の如き
鋭さを併せ持つ、麗しき奇人で――。
人魚伝説の残る孤島で起きる連続殺人事件の
謎に挑む、怪奇ミステリー!
※この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人名、地名、団体とは一切関係ありません。
目次
- 序章 語り部奇談
第一章 雪色の怪人
第二章 奇岩城
第三章 人魚は眞夜中に唄う
第四章 暗闇に進路を取れ
第五章 悪魔の所在
第六章 千年探偵の紡ぎ糸
終章 白椿一輪