死化粧【エンゼルメイク】
最期の顔を大切なものと考えた上で、その人らしい容貌・装いに整えるケア全般のこと。亡くなった方の髪を洗い、ファンデーションや口紅を使って、ご家族の心の中にある元気なころの面影を取り戻す。 |
エンゼルメイク研究会の代表として、亡くなった患者の生前の面影を取り戻す死化粧(エンゼルメイク)を、看取りの作業としてとらえなおすとともに、その普及に取り組む著者が、ナースたちから寄せられたエピソードをヒントに、臨終に立ち会った家族の視点から新たに構成して描いた7篇の物語です。患者そして遺族への最後のケアとして注目を集めているエンゼルメイクの実際が分かる貴重な一冊です。 |
「エンゼルメイク研究会」について
本書の著者・小林光恵さんが、美容研究家の小林照子さん、山口和子さんらと2001年1月にスタート。入院患者が亡くなった際に、闘病などで失われた顔の造作を整えたり、各部を清潔にしたり、化粧を施したりすることを「エンゼルメイク」と名づけ、看護職を対象にしたセミナーなどを主催するほか、エンゼルメイク用化粧品類の普及にも努めている。 |
- 改訂し、文庫化して、2009年02月05日に宝島社文庫『死化粧 最期の看取り』を発売しました。
目次
- 1話 「縛らないで!」 ―顎を縛る習慣について
2話 「うちが、いちばん」 ―自宅でできるエンゼルメイク
3話 父さんの口の色 ―臓器提供をめぐって
4話 会わせてほしかった ―救急外来でのエンゼルメイク
5話 「おかみの微笑だ」 ―特別養護老人ホームでの死
6話 義母(はは)のにおい ―病気によるにおいにまつわる話
7話 オヤジの顔 ―男性のエンゼルメイク
美しい最期 ―解説にかえて 玉木正之(スポーツ&音楽ライター)