死者と生者の静かな交流
「エンゼルメイク」が描かれたはじめての小説集
「誰にも避けることのできないその瞬間に、美しく幕を閉じることがいかに素晴らしく素敵なことかということを巧みに描かれた小林さんに感謝したい」
(玉木正之 「解説にかえて」より)
逝く人と看取る家族が、「エンゼルメイク」によって、つかの間だが、心のこもった交流をすることが可能となる。それは、長かった戦いの日々の終わりを告げる静かな儀式のようでもある…。ここに収録された7編の物語は、著者が主宰するエンゼルメイク研究会にナースたちから寄せられた実話を、著者がまさしくアレンジ(エンゼルメイク!)したものだ。生と死が溶け合い不思議かつリアルな雰囲気が充満する、傑作小説集。
この商品は、2005年06月10日に発売された、書籍『最期の看取り 死化粧(エンゼルメイク)』を改訂し、文庫化したものです。
目次
- はじめに
1話 「縛らないで!」〈顎を縛る習慣について〉
2話 「うちが、いちばん」〈自宅でできるエンゼルメイク〉
3話 父さんの口の色〈臓器提供をめぐって〉
4話 会わせてほしかった〈救急外来でのエンゼルメイク〉
5話 「おかみの微笑だ」〈特別養護老人ホームでの死〉
6話 義母(はは)のにおい〈病気によるにおいにまつわる話〉
7話 オヤジの顔〈男性のエンゼルメイク〉
美しい最期〈解説にかえて〉玉木正之