『このミステリーがすごい!』
の人気コーナーから、 歴史的アンソロジー誕生! 霞流一、鯨統一郎、鳥飼否宇ら、『このミス』常連組の最新作。 ミステリー界の重鎮、辻眞先の奇想天外な怪作。 山口雅也が独自の感性を爆発させた異色ハードボイルド。 戸梶圭太の痛快写真小説。 日本を代表するシャーロッキアン、北原尚彦のホームズ・パスティーシュ。 船越百恵のユーモア中編。 WEB上で話題沸騰中、かくたかひろの新感覚ショートショート。 実験&遊戯精神にあふれた怒涛の作品群 |
■「長編 異界活人事件」辻眞先
■「半熟卵(ソフトボイルド)にしてくれと探偵(ディック)は言った」山口雅也 ■「三人の剥製 The Adventure of the Three Stuffed Beasts」北原尚彦 ■「警部補・山倉浩一 あれだけの事件簿」かくたかひろ ■「悪事の清算」戸梶圭太 ■「乙女的困惑(ガーリー・パズルメント) girlie puzzlement」船越百恵 ■「失敗作」鳥飼否宇 ■「大行進」鯨統一郎 ■「BAKABAKAします」霞流一 |
バカミスとは何なのか?
教則本『バカミスの世界』(美術出版社)でも述べたことだが、バカミスとは、読んだ人間が「これはバカミスだ!」と思ったミステリーがバカミスである、ということ。俺がロックだと思った音楽がロックだ! と言うのと同じように、作者がなんといおうと、他人が否定しようと、隣のオバサンがまくしたてたとしても、泣く子と地頭に勝てなくても、自分がバカミスだと思った作品がすべてバカミスなのだ。 つまりバカミスはミステリーの中のひとつのジャンルではなく、ミステリーを楽しんだり味わったりするための概念であって、広くあまねくいつでも使用でき、上下左右自由自在に愛用できる便利なワードなのである。 おさらいをもうひとつ。 では、どうやってバカミスと選定するのか? 私は以前『このミステリーがすごい!2005年版』に「バカミス判定のための10のバロメーター」を書いた。各人が自分の読書基準で判定すればいい自由なバカミスの世界ではあるが、でも例えばこういう判定基準もありますよ、というつもりで俺的バロメーターを示してみた。 (1)偏執狂タイプの作家は大歓迎 (2)変なトリックが素敵 (3)錯綜するストーリーもOK (4)異常なキャラクターが愛しい (5)過剰なるジャンル愛 (6)エログロは形而上な遊戯を誘う (7)寄生精神も大事 (8)外見も重要 (9)時と場合によっては、失敗作も評価しよう (10)……とかなんとか言っても、以上のどれかの条件を満たし、なおかつ優れた小説として成立していること 「〈序文〉バカミスは明日に向かって飛躍する」より |
- 分冊し、加筆・増補したものを文庫化して、2009年08月06日に宝島社文庫『天地驚愕のミステリー』を発売しました。
- 分冊し、加筆・増補したものを文庫化して、2009年08月06日に宝島社文庫『奇想天外のミステリー』を発売しました。