なぜ「幸福であることは義務」なのか――
(『幸福論』「幸せであることの義務について」より)
NHK「100分de名著」でおなじみの
合田正人先生が徹底解説!
世界三大幸福論のひとつといわれている、アランの『幸福論』が最近また見直されてきています。言葉の美しさだけでなく、プロポという文章形式の妙、構成の周到さなど、読めば読むほど奥が深い『幸福論』の世界。アランはなぜ「幸福であることは義務」と提唱したのか。その真意や、そう考えるに至った経緯など、古来の哲学者たちの考えも交えながら、NHK「100分de名著」の解説も務めた明治大学の合田正人教授がひもといていきます。
目次
- はじめに
第1講 『幸福論』へ向けて
書物と人生
ペンネーム
『幸福論』を生んだ多重人格の時代
…ほか
第2講 自分と他人
「自分」を編集する
アランの故郷と両親
誕生と死のフーガ
…ほか
第3講 自然と身体
私たちの身体は自然と同じ素材でできている
人間は機械である
アランがスピノザから学んだこと
…ほか
第4講 道徳と宗教
道徳は金持ちのためのものだ
愛するから幸福なのではない。幸福だから愛するのだ
憐れみは悲しみを増やしていく
…ほか
第5講 経済と政治
見返りのない「贈与」の危険
吝嗇家の高邁?
財産の中で最も貴重なのは労働である
…ほか
第6講 美と戦争
美とは幸福であり、幸福とは美である
創造的想像力
アランが影響を受けたカントとヘーゲルの美学論
…ほか
おわりに