明治から現代まで“日本のテロ”を室伏哲郎が徹底解明
大久保利通惨殺、張作霖の謀殺、浜口雄幸首相銃撃、小林多喜二虐殺、二・二六事件、浅沼社会党委員長刺殺、日本赤軍ハイジャック事件・・・etc.
明治はテロから始まったといっても過言ではない。明治の元勲たちの多くもテロで倒れている。そして、現代もテロは続いている。明治から現代まで、様々な時代の裏面を体現したテロリストたち。ほとんどは非業の死を迎え、そして、テロにあった者も志半ばで死んでいった。一体彼らは何に駆り立てられ、何に憤慨し、なぜテロに走ったのか。室伏哲郎が明らかにする“日本テロ史”の決定版が、完全リニューアルで復刊。
※本書は1962年に弘文堂より発行された『日本のテロリスト』を文庫化した同名(1986年、潮出版社刊)の本を全面改訂したものです。
目次
- 第1章 伝統的テロリズムと暗殺の風土
頻発する新政府高官へのテロ事件
【孝明天皇急死】天皇の崩御に毒殺説が流布
【岩倉具視刺殺未遂】狙われた非征韓論の大物 ・・・ほか
第2章 近代日本とザ・テロリスト
弾圧を強化する天皇制国家権力
【板垣退助自由党総理刺傷】自由民権運動の首領が遭難
【森有礼文相刺殺】伊勢神宮参拝「不敬」の真相 ・・・ほか
第3章 幻影に怯える白色テロルの煽動車
軍・警察・右翼による白色テロルの嵐
【原敬首相射殺】有名人になったテロリスト
【大杉栄虐殺】「石が流れて木の葉が沈む」社会の反映 ・・・ほか
第4章 国際的謀略と日本テロリズムの限界
一年半の間に二人の首相が暗殺された
【張作霖の謀殺】関東軍のテロで爆死した“満州の王者”
【山本宣治刺殺】“山宣”たったひとりの武器なき闘い ・・・ほか
第5章 この国を滅ぼした狂気の愛国者たち
歴史的に形成された国家テロ
【小林多喜二虐殺】今、なぜ『蟹工船』が愛読されるのか
【美濃部達吉博士暗殺未遂】軍と右翼による天皇機関説への銃弾 ・・・ほか
第6章 大衆社会時代のテロで日本人は何を失ったか?
誰も気がつかないところで謀略テロ
【下山事件】怪死した国鉄総裁は謀殺か自殺か
【浅沼稲次郎社会党委員長刺殺】セブンティーン・右翼・自衛官の二男 ・・・ほか
第7章 マイノリティによる二極化社会への恨みのテロ
自爆テロリズムの脅威
【作家三島由紀夫の割腹自殺】クーデターには至らず
【あさま山荘事件】新左翼・連合赤軍「革命幻想」の総括 ・・・ほか
あとがきにかえて
“心の闇”という月並みな表現の裏に隠されたもの
日本テロ・クーデター事件史年表