「透明人間」はもうSFではない!!
メタマテリアルを利用すれば
どんな物体でも「見えなく」することが可能になる
かぶれば姿が見えなくなる「透明マント」実現?――米デューク大など英米の研究グループが、特殊な金属素材で物体を囲うことにより、物体に当てた光 (電磁波)を反射させずに裏側へ迂回させる実験に成功、というニュースが報じられた。本書は、この話題の「透明マント」や「光学迷彩」などの透明化技術について図版を用いながらわかりやすく、そのしくみについて解説します。
目次
- はじめに
1章 「透明人間」になりたい
古典・小説・映画・漫画の中で描かれ続ける「透明人間」
昔話や童話、映画、漫画に登場するさまざまな「透明化」技術
映画『プレデター』の「擬態ヘルメット」
アニメ『攻殻機動隊』の「光学迷彩スーツ」
ドラマ『スタートレック』の「遮蔽装置」
姿が消えたときに心がさらけ出される
透明人間になったら何をしますか?
2章 生物世界は「透明人間」だらけ
透明タイプと擬態タイプ
生物界の擬態名人たち
戦術に利用される生物の「擬態」特性
人工的に作られた透明生物
3章 夢ではない「透明人間」の科学
SFではなくなった「透明人間」
光を迂回させる「メタマテリアル」
メタマテリアルが作り出す「負の屈折」
電磁場を制御する?
透明化技術の応用
誘電率と透磁率と光の屈折
クローキングデバイスを理解するための基礎知識
クローキングデバイスの「消える」しくみ
クローキングデバイスの疑問点
クローキングデバイスの「透明化」実験結果
ナノテクノロジーが実現する透明化技術
さらなる透明人間技術
メタマテリアルのさらなるブレークスルー
機械工学的な透明人間技術
4章 「タイムマシン」と「テレポーテーション」の科学
タイムマシンの実現性
テレポーテーションの実験成功
5章 「透明化」技術の現状と今後
ステルス技術
電波を吸収する技術
背景に溶け込む迷彩(カモフラージュ)技術
輪郭や外形を惑わせる迷彩技術
「見えなくする」技術vs「見えるようにする」技術
カメラとプロジェクターによる光学迷彩
「ドップラー・レーダー」と「合成開口レーダー」
見えない人工衛星
ロボット開発と民間の技術力
あとがき