脳科学でうつを治す! 予防する!
うつは“心のカゼ”ではなく“脳の病気”
勘と経験が頼りの治療から科学的な治療へ。
抗うつ薬に頼らない「TMS」、誤診を防ぐ「光トポグラフィー検査」、
感情を制御する「ニューロフィードバック」。
激変する治療の最先端!!
うつ病のメカニズムと最先端の治療法を紹介し、大反響を呼んだNHKスペシャルの書籍化。ロングセラー『NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる』(09年小社刊)の姉妹編です。長らく医師の勘と経験に頼っていたうつ病治療のあり方が、いま劇的に変わろうとしています。うつは「心の病気」ではなく「脳の機能不全」。光トポグラフィーといわれる脳血流の画像診断装置を使った診断の実際、脳に電気刺激を与える最先端の治療法など、脳科学で劇的に変わるうつ病治療の最前線をリポートします。
目次
- はじめに 「うつ病は“心の病気”ではない」
第1時限目 アメリカ発 薬に頼らない最新治療
抗うつ薬に頼らない最新治療とは?
意欲や判断を司る部分を刺激
治療開始1週目で効果が出る人も
…ほか
第2時限目 脳科学が解明する“うつ病のメカニズム”
最新の脳科学によるうつ病研究最前線
部分麻酔だけで患者と一緒に部位を探り当てる
うつ病の鍵を握る新たな“場所”の発見
…ほか
補講◆なぜ日本で「磁気刺激」は受けられないのか?
デバイス・ラグの壁
審査官の専門知識の不足
“医学”と“工学”の連携が進まない
第3時限目 最新の検査で誤診を防ぐ
4割が誤診!? うつ病「診断」の課題
10年もの間「うつ病」と診断されてきたのに……
診断に新しい道を開いた「光トポグラフィー検査」
…ほか
補講◆夢物語だったハッピードラッグ~抗うつ薬をめぐる議論の今~
うつ病=セロトニン主犯説は仮説
SSRIの副作用と刑事事件
抗うつ薬は75%がプラセボ効果?
…ほか
第4時限目 言葉の力でうつを治す、予防する
悲観的に物事を考えてしまう“傾向”に気づいてもらう
「苦しみ」の根本的な原因に気づいてもらう
国を挙げて認知行動療法に取り組むイギリス
…ほか
補講◆“新型うつ”の出現
飲み会には行けるが出社できない!?
うつは「社会への適応障害」
第5時限目 変わるか? 日本のうつ病治療
日本の磁気刺激の現状は?
3年で70人の患者が治療を経験
海を渡る患者たち
…ほか
あとがき