
SARSの蔓延が止まらない。発生の当初から中国政府は正確な情報を開示しなかった。
理由はいまや共産党政権の政策の至上課題が経済成長にあり、
これにマイナスになる情報は当局の政治的な配慮で隠蔽される組織構造になっているからだ。
つまり、開放体制とはいいながら、毛沢東の大躍進政策のころからの政治的思惑によって、
虚報が日常化しているという体質は変わっていない。
「中国ビジネスのウソ」では市場経済が文化大革命の失敗と
自力更生路線の崩壊によって始まったこと、そしてその結果、
中国は資本と技術を海外から手に入れるために、
いろんな厚化粧をこらして、自国をセールスしてきた事実に言及した。
それがどんなものだったのかはここに書かれている。
日本のマスコミの中国情報のあやうさにも言及しておいた。
なんども日本の雑誌の取材をうけた駐在員はこう話してくれた。
「活字になることがわかって、事実を話す駐在ビジネスマンはいませんよ。上海なんて参考にならない」。