デカルトから「近代」が始まった!
私たちの生きている現在まで、一気につながる思考の枠組みは、
どのように形成されたか?
どのように形成されたか?
小阪修平がこの『イラスト西洋哲学史』でやろうとしたこと。それはまず第一に、哲学者たちの思考から枝葉をとりはらい、核心のみをとりあげることだった。その「核心」は、ギリシア以来綿々とつながっている「世界と自分」についての考え方だ。そして、小阪はその「核心」を、私たちが生きている現在に向かって積み重ねてみせてくれた。読み進めば進むほど、息苦しくなるほどおもしろいのは、きっとそういう方法のせいだろう。
本書は1984年、小社(旧社名・JICC出版局)から刊行された『イラスト西洋哲学史』を上下二冊に分冊して文庫化したものの下巻です。
目次
- 第五章 デカルトと明晰な精神
近代の幕開けとガリレオ
自然を単純化した延長という思想
明晰判明な精神とはなにか? ・・・ほか
第六章 大陸合理論とイギリス経験論
スピノザとライプニッツ
ロックとヒューム
第七章 カントの批判哲学
認識における先天的なものと物自体
眼にみえぬものをもとめる理性の二律背反
理想をもとめる実践に人間の自由がある ・・・ほか
第八章 ドイツ観念論とヘーゲル
フィヒテとシェリング
弁証法と歴史
絶対精神と世界精神 ・・・ほか
第九章 マルクス主義と実存主義
精神の歴史から現実の歴史へ
解決されない現在と個別的な私
あとがき
著者紹介