バブルの時代。イトマン事件、石橋産業事件で暗躍し「闇社会の怪人」「戦後最大の黒幕」と呼ばれた許永中。
大阪・中津の在日韓国人地区で生まれ育ち、喧嘩に明け暮れアウトローの道へと突き進むこの男は、浪速が生んだ快男児でもあった。
巨大組織に一歩も引かぬ度胸と、政財界と闇社会の大物たちを魅了する愛嬌を兼ね備え、修羅の道を走り、今は韓国で暮らしている。昭和、平成、金と暴力。戦慄経済事件の真相を語る一冊。
第一章 威光「部落解放同盟」
第二章 フィクサー大谷貴義
第三章 実業の世界へ
第四章 力対力のせめぎあい
第五章 フィクサーの器
第六章 さらなる野望
第七章 日本と韓国のブリッジビルダー
第八章 世にいうイトマン事件
第九章 震撼、石橋産業事件
第十章 どこまでも男でありたい
本書は2021年1月に青志社より刊行された同名の書籍を改訂し、文庫化したものです。
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大下 英治(おおした えいじ) プロフィール
1944年、広島県に生まれる。68年3月、広島大学文学部仏文科卒業。70年、週刊文春の記者となる。記者時代『小説電通』(三一書房)を発表し、作家としてデビュー。さらに月刊文藝春秋に発表した「三越の女帝・竹久みちの野望と金脈」が反響を呼び、岡田社長退陣のきっかけとなった。83年、週刊文春を離れ、作家として政財官界から芸能、犯罪、社会問題まで幅広いジャンルで創作活動をつづけている。著書は『新総理 石破茂』(河出書房新社)、『政権交代秘録』(清談社Publico)、『ハマの帝王 横浜をつくった男 藤木幸夫』『任侠映画伝説 高倉健と鶴田浩二(上・下)」(以上、さくら舎)、『安倍晋三・昭恵 35年の春夏秋冬』(飛鳥新社)、『ショーケン 天才と狂気』(祥伝社)、『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈』『「政権奪取」小沢一郎、三度目の挑戦』(以上、東峰書房)など、500冊以上にのぼる。
許 永中(きょ えいちゅう) プロフィール
1947年、大阪府大阪市大淀区(現北区)中津に生まれる。在日韓国人2世。大阪工業大学在学中から不動産や建設など様々な事業に関わり、在日同胞や極道関係者の人脈を培う。大学中退後、大谷貴義や福本邦雄らの知己を得て「戦後最大のフィクサー」の異名を取る。91年にイトマン事件、2000年に石橋産業事件で逮捕。保釈中の1997年9月、ソウルで失踪。1999年11月に都内ホテルで身柄を拘束された。2012年12月、母国での服役を希望し、ソウル南部矯導所に入所。2013年9月に仮釈放。現在はソウル市内に住み様々な事業を手掛ける。著書に『海峡に立つ泥と血の我が半生』(小学館)、『悪漢の流儀』(宝島社)がある。