新版
どうせ死ぬなら「がん」がいい
「老い」と「死に際」に医療は無力。
治療をしなければ「がん」は
大往生できる病気です。
曽野綾子氏
特別寄稿
2012年に発売した『どうせ死ぬなら「がん」がいい』に新原稿を加え、再編集した新版。同書は、当時、慶應義塾大学医学部講師だった近藤誠氏と社会福祉法人老人ホーム「同和園」附属診療所所長・中村仁一氏の対談本で、「がんは死ぬのにけっこうな病気」「手術しなければがんは痛まない」など、それまでの「がんの常識」に異論を唱える内容だった。近年、著名人のがん死が相次ぎ、世間のがんに対する見方が当時の二人の言説から逆行しているように見られるが、二人の考えは当時から変わるどころか、ますます強まっている。「がんの真実」「幸せな最期」を二人が改めて問いかける。
目次
- 新版のためのまえがき
第一章 がんの誤解を解く
第二章 医療に殺される
第三章 日本人と死
対談を終えて
特別寄稿 曽野綾子
中村 仁一(なかむら じんいち) プロフィール
1940年、長野県生まれ。社会福祉法人老人ホーム「同和園」附属診療所所長、医師。京都大学医学部卒業。財団法人高雄病院院長、理事長を経て、2000年2月より現職。1985年10月より、京都仏教青年会(現・薄伽梵KYOTO)の協力のもとに、毎月「病院法話」を開催、医療と仏教連携の先駆けとなる。1996年4月より、市民グループ「自分の死を考える集い」を主宰し、これまでに250回を数える。著書に52万部のベストセラーとなった『大往生したけりゃ医療とかかわるな』、その続編となる『大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】 2025年問題の解決をめざして』(ともに幻冬舎新書)など。
近藤 誠(こんどう まこと) プロフィール
1948年、東京都生まれ。「近藤誠がん研究所」所長。1973年、慶應義塾大学医学部卒業。1976年、同医学部放射線科に入局。1983~2014年、同医学部講師。2012年「乳房温存療法のパイオニアとして抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性などの啓蒙を続けてきた功績」により第60回菊池寛賞受賞。2013年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」(https://kondo-makoto.com)を開設し、6年間で9000組以上の相談に応えている。『がん放置療法のすすめ』(文春新書)、『医者に殺されない47の心得』(アスコム)、『最高の死に方と最悪の死に方』(宝島社)、『眠っているがんを起こしてはいけない。』(飛鳥新社)、『このクスリがボケを生む!』(学陽書房)ほか著書多数。