天才絵師はなぜ贋作を描いたのか
京で人気の絵師・狂花が、贋作事件を機に失踪した。狂花を捜す武士・龍吾は、事件に隠された悲しき真相を知ることに……。
第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞&20万部突破『京の縁結び 縁見屋の娘』の著者による最新作です!
福知山藩に仕える藩士・木島龍吾の目は色の認識ができない。先代藩主の命により、龍吾は失踪した父・兵庫を捜すことになる。兵庫は人気の絵師で、藩主に極楽浄土の絵を描くことを約束していた。ただし龍吾は兵庫と生まれてすぐ生き別れたため面識がなかった。戸惑う龍吾だったが、兵庫が自分と同じく色が認識できないことを知り、興味を持ち始める。兵庫を追って京へ向かうが、彼は贋作事件の犯人として京を追われ、行方不明になっていた。龍吾は父の弟子を訪ねて行方を調べるなかで、兵庫が弟子のために描いた軸「狂花一輪」を見せてもらうと、あるものが見え――。贋作事件の悲しい真相と、軸に隠された父の思いが胸を打つ。