名を捨てた侍が、草紙に描く秘密とは――
『このミス』大賞・優秀賞&20万部突破
『京の縁結び 縁見屋の娘』の
著者が描く待望の第2作!
京の満天堂書林で草紙を執筆する戯作者・行馬。故郷、そして名前を捨てた暮らしのなかで、ある女絵師と想いを通わせるも、頻発する辻斬りの行う“般若刀”が行馬の心に影を落とす……。
侍としての名前と過去を捨て、京で暮らす戯作者・月夜乃行馬(つきよのいくま)。懇意にする板元の満天堂書林で京の名所図会を執筆する行馬は、女絵師の冬芽(とうが)が描く、哀しき想いを秘めた美しい絵に惹かれていく。同じ頃、行馬の仲間だった侍たちが、行馬が持っているはずの妖刀を振るう辻斬りに遭った、との報せが入る。自分を騙った下手人を探る行馬はやがて、故郷で起きていたある悲劇を知ることに……。
※この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物・団体等とは一切関係ありません。