「こころの時代」に必要なのは、
人の話を聴ける能力です。
養老孟司 メンタルケア協会顧問
東日本大震災、長引く不況、そして子どものいじめ……このような状況で、日本全国の多くの老若男女の心は傷ついています。そのような中、相手の心に寄り添って、心の声を聴く技術に優れた人たちがいます。「精神対話士」といわれる人たちです。彼らは、相手から本当の気持ちを聴き出し、そして生きる力を湧き上がらせます。「人の話を聴く技術」とは、単に本音や情報を得るためだけのものではなく、相手に生きる力を与えるものです。その技術は、家庭でも、学校でも、ビジネスの現場でも役立ちます。誰でも真剣に自分のことを考えてくれる人には、心を開くものです。本書は、人の話を聴く「本当の技術」がつまった本です。
この商品は、2006年09月21日に発売された、書籍『人の話を「聴く」技術』を改訂し、新書化したものです。
目次
- 1 「聴く」ことで人を癒す心のケアの専門職・精神対話士
2 ただ「聞く」のではなく、心で「聴く」ことが大事
3 対話には、「理解」よりも「共感」が必要
4 気持ちが受け止められたとき、話し手は十分な満足を得る
5 共感と「プラスの言葉」が生きる希望を生み出す
6 話し相手の斜め前か、思い切って横に座る
7 おおらかな気分で話を聴く
8 話し手の不安を解消して、「共感」を呼ぶ相づちの打ち方
9 「安易な理解」を示すと、話し手の信頼を失う
10 「早急な助言」は、話し手の反発を招く
11 「オウム返し」の相づちで、話題の核心に迫っていく
12 「キーワード」をさりげなく復唱する
13 相手の隠している感情を代弁してあげる
14 相手の言葉を丸ごと受け止めてあげる
15 答えにくい質問には安易に答えない
16 「身を差し入れて」聴くことで、相手を孤独感から救う
17 対話が「本心」を探り当てたとき、人の気持ちは一八〇度変わる
18 話し相手に対して、思考フレームを一度はずす
19 相手の思考フレームがわかれば、上手なコミュニケーションが築ける
20 話し手のホンネは、すべてを語り終えたあとに出てくる
…ほか