愛犬のリラが癌になった。恋人にも去られ、忙しい出版社での仕事とリラの闘病生活。
そんな試練のなか、藍は決意する。
「もっと強くなろう。リラと一緒に、一生懸命、私も生きるんだ。」
“働く女性”と“愛犬”のリアル・ラブストーリー
ファッション誌『JoJo』で働く藍は、仕事でゴールデンリトリーバーのリラと出会う。ペットショップの店員さんに「今日買わなければ殺処分される」と言われ、リラと恋人と三人で暮らすことにしたのだ。しかし、仕事が生き甲斐の藍は、仕事に忙殺されて、何を愛し、何に愛されているかを次第に見失っていく…。愛犬との出会いと別れを通じて「本当に大切なもの」に気づくまでを描いた、感動のヒューマンラブストーリー。
※この作品はフィクションです。実在する人物、団体、地名等とは一切関係ありません。
原田 マハ(はらだ まは) プロフィール
1962年、東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科を卒業。伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室に勤める。森美術館時代に、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に派遣され勤務。2002年よりフリーのキュレーター、カルチャーライターとして活動。2005年『カフーを待ちわびて』で第一回「日本ラブストーリー大賞」を受賞、デビュー。本作は2009年に映画化され、35万部を超える大ヒット作となる。2012年5月『楽園のカンヴァス』(新潮社刊)で第25回山本周五郎賞を受賞。その他の著書に『一分間だけ』『#9(ナンバーナイン)』(宝島社文庫)、『本日は、お日柄もよく』(徳間書店)、『風のマジム』(講談社)、『まぐだら屋のマリア』(幻冬舎)、『でーれーガールズ』(祥伝社)、『永遠をさがしに』(河出書房新社)、『旅屋おかえり』(集英社)などがある。