宝島社文庫
『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 黒
『このミステリーがすごい! 2015年版』
「オールタイム・ベスト国内短編ミステリー」
ベスト10
第2位「天狗」大坪砂男
第3位「達也が嗤う」鮎川哲也
第4位「赤い密室」鮎川哲也
第9位「第三の時効」横山秀夫
第10位「心理試験」江戸川乱歩
収録のアンソロジー第2弾!
2ヵ月連続刊行!
『このミス』選者が選ぶ、珠玉の名作短編アンソロジーが登場!約100年に及ぶ日本ミステリー史のあらゆる短編の中から、『このミス』が誇る読書のプロが選んだ十編の名作たちを、二分冊で刊行。後編にあたる「黒」には、ランキング第2位の「天狗」(大坪砂男)をはじめとする五編を収録。日本のミステリー文学を代表する名作短編が揃うアンソロジー第2弾!(解説・千街晶之)
※本作品に収録した作品には、今日の観点からすると差別的な用語・表現が含まれている場合があります。しかしながら、作品が書かれた時代背景などを考慮し、また、著者が差別的な意図をもって使用したのではないと判断し、発表時のままとしました。(編集部)
大坪 砂男(おおつぼ すなお) プロフィール
1904年、東京生まれ。谷崎潤一郎の書生、警視庁鑑識課職員などを経て、師事していた佐藤春夫の推薦により『宝石』で発表した「天狗」でデビューを飾る。1950年、「私刑」ほかで第3回日本探偵作家クラブ賞を受賞。1965年、死去。長編は発表せず、作品はすべて短編だが、「天狗」「零人」などは珠玉作として高く評価されている。シナリオ作家・虚淵玄の祖父でもある。
鮎川 哲也(あゆかわ てつや) プロフィール
1919年、東京生まれ。1950年、本名の中川透名義で『ペトロフ事件』で『宝石』百万円懸賞(総額)に入選。1956年、講談社の書き下ろし長編公募に入選した『黒いトランク』以降、鮎川哲也に名義を改める。1960年、『憎悪の化石』『黒い白鳥』で第13回日本探偵作家クラブ賞を受賞。1990年より鮎川哲也賞(東京創元社主催)が設けられ、本格ミステリーを志す新人のデビューや、埋もれていた探偵作家の発掘にも力を注ぐ。2001年、第1回本格ミステリ大賞特別賞を受賞。2002年に死去。翌年、第6回日本ミステリー文学大賞特別賞を追贈された。ほかの作品に、『りら荘事件』『人それを情死と呼ぶ』など。
横山 秀夫(よこやま ひでお) プロフィール
1957年、東京生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業後、上毛新聞社に入社。12年間の記者生活を経てフリーライターとなる。1991年、『ルパンの消息』が第9回サントリーミステリー大賞佳作に選ばれる。1998年、短編「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞。2000年、「動機」で第53回日本推理作家協会賞・短編部門を受賞する。ほかの作品に『半落ち』『顔 FACE』『深追い』『第三の時効』『真相』『影踏み』『看守眼』『臨場』『出口のない海』『震度0』『64』など。
江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ) プロフィール
1894年、三重県に生まれる。早稲田大学政治経済学科卒業後、多くの職業遍歴を経て、1923年、『新青年』に「二銭銅貨」を発表してデビュー。ほどなく日本最初の探偵小説専業作家として地位を確立するが、怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。長編では『黒蜥蜴』、「少年探偵団」シリーズなどがよく知られている。探偵小説誌『宝石』の編集・経営に携わったり、新人作家の発掘にも力を注いだほか、日本探偵作家クラブの創立に尽力するなど、日本の探偵小説界に多大なる業績を残した。1965年、死去。